箱根ターンパイクでバイク同士が衝突

警察などによると、3日午前8時20分頃、神奈川県小田原市の自動車専用道路「箱根ターンパイク」でバイク同士が衝突し、運転していた48歳男性が転倒。救急車で搬送された病院で死亡が確認されたとのこと。また、別のバイクを運転していた47歳男性と後部に乗っていた男性の息子とみられる16歳の少年もそれぞれ怪我をしてドクターヘリや救急車で病院に搬送されたということです。現場は片側1車線のカーブで、警察は現場の状況などから、死亡した男性のバイクが対向車線をはみ出した可能性があるとみて、事故原因を詳しく調査中とのことです。まずは故人とご家族にお悔やみを申し上げると共に、怪我をされた方々の早い回復を祈りたいと思います。

走り屋のメッカに大型スポーツバイク

箱根ターンパイクはよく整備された観光道路で季節の移ろいを感じつつ気持ち良くツーリングを楽しめる所です。一方でバイク乗りの間では走り屋のメッカとしても知られ、サーキットまがいの暴走を繰り返す心無いライダーが多いことも残念ながら事実です。ニュース映像などによると事故現場は緩やかな中高速コーナーの出口付近のようです。おそらくは死亡した男性がカーブを曲がり切れずに対向車線にはみ出したところ反対側から来た親子タンデムのバイクと衝突したのだと思われます。2台ともスポーツタイプの大型モデルで破損したバイクの状態からも衝撃の大きさが予想できます。

風光明媚でも思わぬ落とし穴が

筆者も数えきれないほどターンパイクを利用していますが、この辺りは緩やかなカーブが続き路面コンディションも良好なのでつい速度も上がりがちです。ただ、微妙にコーナーの曲率(曲がり具合)やカント(左右方向の傾斜)が変化していたり、また想像以上に勾配が急で上りと下りでの速度感覚やブレーキングのタイミングなども大きく変化します。また、特にこの季節は夏に成長した樹木がブラインドになり先が見通しづらくなっていることも多々あるなど実は非常に難しい道路なのです。

回避できる余地を残して走ろう

耳にタコかもしれませんが、事故を防止するためにはとにかく速度を落とすしかありません。制限速度の議論は別の機会にするとして、もし何かのミスをしたときにも落ち着いてリカバリーできる速度で走るべきです。例えばブラインドコーナーを曲がった先に何か不測の事態があっても回避できる余地を残す速度ということです。もちろん、心臓発作などの身体的なトラブルで急に制御不能になったり鹿やイノシシが飛び出してきたり落石などといった自分ではどうしようもない不可抗力も無いとは言えません。ただ、それであっても可能な限りの回避行動をしてたとえ結果的に衝突や転倒をしたとしても死なないように努力することが大事なのではないでしょうか。

バイク乗りはもっと練習すべき

さらに厳しいことを言えばバイクに乗る人はもっと運転を練習すべきです。特に最近は大型スポーツバイクによる中高年ライダーの事故が目立っていますが、カーブを曲がり切れずに衝突とかブレーキを誤っての転倒などは明らかに本人の認知判断ミス、技量不足によるものです。高性能なスポーツモデルに乗るということはそれを安全に操るための知識と技術とマインドが必要になります。スキーでもマリンスポーツでもいきなり上級者向けの高性能モデルを使えば、扱い切れずに怪我をすることになるでしょう。バイクも同じではないでしょうか。

腕を磨きたいなら講習会やサーキットへ

ライディングスクールや安全運転講習会に行けば自分の技量も客観的に分かりますし、安全マインドも磨かれていきます。確かなスキルを身に付けることで心に自信と余裕も生まれ、峠道をむやみにぶっ飛ばす気もなくなるはずです。「そんなお金はない」と言う人がいますが、警察などが開催している安全運転講習会なら、保険料のみの数百円程度で参加できます。高速代とガソリン代と多大なリスクを支払って遠くのワインディングまで腕試しに行くより、よっぽど安上がりで得るものも大きいのでは。「安全はいいからもっと攻めたい」という人は是非サーキットへ行ってください。同じ人間とは思えないほど速くて上手いライダーがいくらでもいますし、速度を上げるほどにどれだけ止まれないか、どれだけ曲がれないかを身をもって理解できるはずです。

バイクに乗ることは責任を持つこと

バイクに乗るということは交通社会の一員としての自覚を持ち、自分だけでなく社会や家族に対して責任を持つということです。私自身、ここで偉そうなことを言うつもりは毛頭ありません。ただ、大好きなバイクで死んでほしくないのです。他人を巻き込んでほしくないのです。バイクに乗るということが、大人の趣味として胸を張れるものであってほしいのです。


バイクでも四輪でもそうだけど特に山坂道を走っているとバイクや四輪の方から「この速度では次のコーナーはちょっと危ないぞ」と言ってくることがよくある。そういう時はそれに従って素直に速度を落とすことにしている。特にバイクは四輪とはケタ違いにコーナリング性能が劣って思うように曲がらないので気をつけるようにしているし、バイクからも「もっとスピード落とせよ」と言ってくるのでそれに従う。実際にバイクや四輪は機械だからものを言ってくるわけではないが、車両各部からの情報で「これはちょっと無理かな」という感覚をつかむことができる。レースをしているわけではないし楽しむためにバイクや四輪に乗っているのだから無理をする必要はないと思う。時々、ブラインドコーナーからバイクにぶら下がって飛び出してくるライダーがいるが、こっちに飛び出してきそうで、あれにはちょっと驚かされる。公道でそんな速度で走る必要はないと思う。ターンパイクは確かに速度は出るが、勾配がきつくてコーナーもアールが大きい分、途中でアールが変わるなどのところもある。普通に走れば難しいわけでもないが、速度が上がれば当然制御は難しくなるだろう。バイクだけじゃなくて四輪もそうだが、要は楽しく走ればいいじゃないか。速度を競いたいなら行動ではなくサーキットでやるべきだろう。


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