それに女土方がどうしてクレヨンを受け入れたのだろうか。この世界には結構厳しい掟があると言っていたのに。それともクレヨンを仲間と認めたのだろうか。僕はそこだけは確認しておきたかったので女土方にそっと聞いてみた。
 
 
「あなたと付き合うようになって私も少し変ったわ。たまには遊びも良いんじゃないの。今日はちょっといつもとは違う変な気分だし。でも本気にならないようにね、いいわね。」
 
 
女土方は最後にそう釘を刺したが何とも純血主義者だった彼女らしからぬ答えだった。しかし、こんなことに本気もへったくれもあるものか。お許しが出たのならあとは思い切ってやるだけだ。
 
 
 僕はお風呂派ではないので汚れが落ちればそれで十分だった。風呂に浸かってのんびりするなんてそんな趣味はない。シャワーで十分だったがその間も男とは違った女の欲望を感じていた。
 
 
そうして風呂を終わった僕たち三人が部屋に戻った。女土方はあっさりとした部屋着で、クレヨンはさっきのバスローブで、僕はタイパンツにTシャツとそれぞれ思い思いの服装だったが、思うことは一つ、なんだろうか。
 
 
「じゃあ、用意もできたようだから始めましょうか。」
 
 
僕は最初にベッドに上がると横になった。女土方は軽くうなずくと僕の右側に体を横たえた。クレヨンは左側に陣取った。
 
 
『よおし、この際だから思い切ってやるぞ。』
 
 
僕は声にはしなったが心の中でそうつぶやいた。僕は二人をそれぞれ右腕と左腕で抱えると自分の方へと抱きよせた。女土方の大人の匂いとクレヨンの甘い香りが胸の中に広がった。
 
 
僕はこの女の匂いが大好きで、と言ってもその匂いというのは香水なんだろうけど、その匂いをかぐと気持ちが安らいで行く。あまり嗅ぎまわって怒られたこともあったっけ。まあそんなことはどうでもいいことだが。
 
 
 そんなこんなで朝が来た。いつもよりもちょっとはやめに目が覚めたが女土方はもう起きて身づくろいをしていた。
 
 
「おはよう、良い朝ね。」
 
 
女土方が声をかけてきた。
 
 
「おはよう」
 
 
僕は返事を返してベッドから起き上がった。クレヨンはまだケツ丸出しで寝ていたので蹴飛ばしてやろうかと思ったが、まあ、今日はちょっと勘弁してやって方をど突いて起こしてやった。
 
 
「うーん、何するのよ。」
 
 
クレヨンは迷惑そうな顔をして寝返りを打った。
 
 
「もう朝よ、いい加減に起きなさい。会社に行くのよ。」
 
 
「もう少し寝たい。眠い。」
 
 
クレヨンはぶつぶつ言っていたが方をつかんで引っ張り起こすと僕もベッドから起き上がった。本当は僕ももう少しゆっくりしたいのだがそういうわけにもいかないので宮仕えはなかなか辛いものがある。
 
 
 え、夕べはどうしたのかって。僕は以前にも話したことがあるが、個人のプライバシーはあからさまにするものでもないのでその辺はご想像にお任せすることにする。
 
 
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