そんなことを社長に話すとやはり社長は思ったように、「佐山さん、あなたたちのところで使う人だからあなたたちが決めればいいんじゃないか。僕は雇用条件だけを守ってくれれば特に言うことはない。」と下駄を預けられてしまった。
女土方は知的美人の印象にずっと拘っていたが、彼女も特に具体的にここがだめというものがあるわけでもないようだった。それにビアンのためか職場に男性が入ってくると言うのも好まないようだった。クレヨンは留学経験のある知的美人がお気に入りのようだった。
「この人、私と同じでアメリカ生活の経験があるでしょう。何かビビッと来るものがあるのよね、この人見ていると。私と同じようで。」
お気楽サルはそう言うが、もしもあの知的美人がサルと一緒なら書類選考にも引っかからなかっただろう。
僕にしても英語の能力もさることながらやはり初老のおっさんよりは成熟した女性の方に興味があった。でもまさかこの時はこれがとんでもない災難となってスケベ心を起こした僕に降りかかってくるとは夢にも思わなかった。
そんなわけで最終的に知的美人に決定として通知を出した。採用が決定したのだからすぐに出社して欲しかったのだが、何かしらの用事と準備があるとかで月が改まってからの出社となった。まあ期間としては一週間程度なのでそれは認めることとした。
そしていよいよ出社の日、知的美人は意外に地味というかあっさりとした服装で出社した。そして社長や北の政所様にそつなくあいさつを済ませるとテキエディが使っていた机に収まった。そして特に戸惑いを見せるでもなく与えられた仕事をてきぱきとこなして行った。
特に向こうの生活が長かったこともあってか英語らしい語法となると独壇場だった。ジャパンタイムズを読んでいても、これは日本人の翻訳、これは英米人の翻訳とそれぞれの記事の英語を見ていると分かるが、彼女の英語も日本人離れした英語らしい英語だった。その点ではちょっと悔しさもあったが、人を得たと言う気分だった。
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