アメリカのジョージア医科大学の研究チームが、脳を損傷することなく、マウスの特定の記憶だけを選択して消す方法を発見したと科学誌ニューロンで発表しました。
研究チームによると、脳内の重要なたんぱく質のレベルを操ることにより、特定の記憶を選択的に消去することが可能だということです。
今回は、あくまでもマウスによる場合なので、実際に人間でも同様の成功を収めるかどうかについては懐疑的です。
記憶の消去に関しては、、ボストンのハーバード大学やカナダのモントリオールにあるマギル大学の研究で、高血圧の心臓病患者に対して使用される薬を応用することで、記憶を消す方法が発見されPTSDの原因となっている、悪い記憶を忘れさせることも可能であるとの発表もあります。
トラウマ(心的外傷)による心拍数の上昇などで苦しんでいる被験者が、原因となった出来事を思い出している時に薬を投与した結果、一週間で症状の軽減が見られたそうです。
これは記憶障害を引き起こすことが知られている、高血圧の心臓病患者に対して用いられる薬「プロプラノロール」を使用したことによるもので、脳から読み出された記憶が、脳にまた格納されるプロセスを妨げることによって、記憶を消し去ることに成功したとのこと。
記憶障害は怖いですが、うまく用いることができたらプラスにも働くということですよね。
また、ニューヨーク大学の研究チームがネズミを用いて行った研究で、2つのトーンの音を聞かせた際に感電するという関連づけを行い、1つのトーンに関する記憶のみを消去する実験を行った結果、実験は成功したそうです。
それを受けて、この治療方法には特定の記憶に対して潜在的に永久的な効果があるかもしれないとしています。
今後の研究で、これらの方法がPTSD(心的外傷後ストレス障害)などを抱える人々の治療に役に立つことが期待されますね。
一方で、悪用されるリスクも高いですから規制は必要ですね。
記憶の消去というと映画やドラマなどでも題材になったりしていますよね。
以前見た映画で、気付いたらすっぽり記憶が抜かれていて、記憶を消される前の自分のヒントを頼りに、謎を解いていくというのがあったのですが、何ていう題名だったかな?
【参考】
Inducible and Selective Erasure of Memories in the Mouse Brain via Chemical-Genetic Manipulation
Scientists find drug to banish bad memories | Science | Earth | Telegraph
