先日は、「当り(魚信)」(2021.02.26にアップ)と言うタイトルで推
手の接 jie1 (チエ)のお話しをしました。
推手で搭手 da1 shou3 (ターショウ)して、少し当てた時の”引っか
かり感”、つまり相手と繋がって自分の脚下への感覚=脚底下が得ら
れた時が接と言うお話しでした。
今日のお話は、その続きです。
接が出来たと言うことは、相手と繋がっています。その状態で相手
の動きに合わせます。相手が前に出て来たら、その分後ろに下がりま
す。決して抵抗をして相手の動きを阻止したり(これを頂 ding3 (ティ
ン)と言います。)、自分から率先して引いたり(これを丟 diu1 (ティユ)
と言います。)しないで、相手のなすががまに移動します。相手に逆らっ
たり逃げたりしないで相手と繋がったまま動きます。この状態のことを
走 zou3 (ツォー)と言います。相手の行きたい方に持って行きます。
これが不丟不頂 bu4 diu1 bu4 ding3 (プーティユ プーティン)です。
もちろんのこと、この間も脚下への感覚=脚底下が必要ですし、鬆が
大前提有ることに違いはありません。それと相手と繋がったままも同様
です。相手を完全に制御(コントロール)している必要があります。
次に来るのは粘 nian2 (ニェン)です。接触している皮膚による粘
着を利用して、繫がり感を最大限に高めていきます。そして相手の推
す力や、引く力を利用して、相手の行きたい方向から少し違う方向に誘
導します。この行動を載せると呼んでいます。何も自分の腕が相手の
腕より下にあって、相手を浮かせる方向に持って行くのだけではなく、
下按のような場合も載っけると呼んでいます。つまり相手を繫いだまま
制御して、相手のバランスを崩す状態に持って行くことを、そう言ってい
ます。
この走と粘で相手を制御する事を、化 hua4 (ファー)と言います。
走と粘を繰り返すことで相手を化します。表題の”ばかす”です。
推手では、化の後に拿 na2 (ナァー)という、相手の勁を封じ込め
相手の動きを止める行為と、発 fa4 (ファ)という、発勁して相手を推
す行為が続きます。そして接に繋がります。
これが推手の流れです。
しかし試合でもない限り、私のやっている呉式太極拳では、接と化を
繰り返すことでのみで錬えています。