厳しい暑さが続く、今年も暑い夏
先週のことだった。 俺たちの密やかな関係に、とうとう本当の終わりがやってきた。
彼女と出会ったのは、コロナが落ち着いてきた5年前
最初は妻のお気に入りとしてだった。 フランス人の血を引くハーフで、いつも純白のドレスを纏い、どこかオープンで華やかな雰囲気を漂わせている。
だが、俺が単身赴任することになり、彼女と二人きりで過ごす時間が増えるにつれて、俺はすっかり彼女に一目惚れしてしまった。街でも滅多に見かけない、洗練された特別な存在感。逢瀬を重ねるごとに、俺の心は深く彼女に傾いていった。
彼女とは、たくさんの思い出を作った。
九州の単身赴任先であちこちを旅し、風を感じながら二人の時間を楽しんだ。フェリーを二度も乗り継いで、遠く福島まで一緒にやってきた。過ごした夜や二人だけの移動時間は、俺にとってかけがえのない宝物だった。
だが、彼女はもともと体が弱かった。
特に脳の欠陥が多いこと、フランスの血を引く人は人多いらしい。
昨年は急に体調を崩し、高額な医療への支払いに30万円もかかった。
年末の定期健診では「45万円」という厳しい提示があり、俺は悩んだ。「もう引き際かもしれない」——そんな考えが頭をよぎったが、どうしても彼女を手放したくなかった。必要最低限の治療だけを頼み込み、32万円を工面してなんとか彼女との関係を繋ぎ止めたのだった。
それなのに、今年の3月。彼女の足に水が溜まるという奇妙な異変が起きた。 最初は「命には大したことない」と軽く考えていたが、そんな異変が何度も続いた。医者によると足の水が脳に影響したそうだ。
そして意識が途切れ、眠り込んでしまう。
「もうダメか」と諦めかけたが、一週間待つと奇跡的に彼女は目を覚ました。俺はすがるような思いで、いつもの医院へと彼女を連れて行き、奇跡を祈り続けていたのだが……。
先週の金曜日、一本の電話が鳴った。
「うちの方ではもう対応できません。
郡山にある専門の大病院へ搬送します」
その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。
「夢だ!夢に違いない」
——あの大学時代、愛する人を失ったときの悪夢が脳裏をよぎった。もしドラえもんがいたら“タイムふろしき”で過去に戻して治してもらうのにと、一人で馬鹿なことも考えた。
しかし、現実はどこまでも冷酷だった。
かさむ負担、そして今回はあまりにも致命的な重病。俺は深く悩み、彼女の「生と死」の選択を迫られた。本当に治してやりたかった。だが、これ以上無理をさせ、傷ついた彼女を繋ぎ止め続けることは、お互いにとって不幸でしかない。とうとう、決断の時が来たのだ。
俺は彼女の元へ行き、最後の別れを言いに行った。
「治してください。まだあなたと一緒に生きていたいのです」 病床の彼女がそう語りかけているように思えて、胸がいっぱいになった。
だが、俺は医師に彼女へ安らかな死を与えるよう頼んだ。 彼女の身から思い出の品々(遺品)を取り出し、最後の別れを告げた。
楽しい思い出を、本当にありがとう。
九州から福島まで、俺の傍にいてくれてありがとう。 俺は君のことを一生忘れない。さようなら。
愛しい彼女の名前は——
プジョー308cc
いつまでも、永遠に。
https://ameblo.jp/ntakuki1969/entry-12555698628.html
彼女との思い出のスナップ
海へ
山へ
最後のドライブで
※大学時代のファミリアことを書いたものを
参考にしています。
今週、最後の別れに行く予定です。
この記事のサムネはAIで作成したイメージです。

























