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かか
かかか
脂肪(しぼう、食事脂肪)は、動植物に含まれる栄養素の一つ。
日本の栄養学では一般に脂質(ししつ)と呼ぶ。
特定の化学的、構造的性質では無く、溶解度によって定義される。
溶解度(ようかいど、solubility)とはある溶質が一定の量の溶媒に溶ける限界量を言う。
飽和溶液の濃度である。
通常、Sと言う記号で表される。
本来は無名数であるが、一般に[g/100g-溶媒の化学式]等の単位を付して表す。
この場合、溶媒が水なら[g/100g-H2O]となる。
溶解度は温度によって変化し、固体に関しては、例外もあるが、温度が上がると溶解度が上がるものが多い。
この溶解度は温度によって変化する。
化学の金言として「似た物は似た物を溶かす」と言われる。
これが意味する所は、極性分子は極性分子(水)に溶解し、非極性分子は非極性溶媒(例えば油)に溶解すると言う傾向の事である。この為溶媒同士でも水と油は溶け合わず分離し、水とエタノールでは良く混和する。
但し、この定義では現在では数多くの例外が存在し、十分な条件とは言えない。
現在の生化学的定義では「長鎖脂肪酸或いは炭化水素鎖を持つ生物体内に存在或いは生物由来の分子」となる。
この三大栄養素の比率をそれぞれの頭文字をとってPFCバランスという時、英語圏に倣って脂肪(Fat)を用いている。
食品中の脂肪と言う時、脂質やその詳細である脂肪酸を指すであろう。
炭素数の区切りは諸説がある。
脂肪酸は、一般式 CnHmCOOH で表せる。
油脂(ゆし)とは脂肪酸とグリセリンとのエステルで普通はトリグリセリド(トリ-O-アシルグリセリン)の形態を取る物。
生物から分離される脂質には原料の違いから動物油脂と植物油脂、又、組成及び物性の違い(不飽和脂肪酸が多く液状、飽和脂肪酸が多く常温で固体)から、それぞれ植物油・動物油(液体)と植物脂・動物脂(固体)に分けられる。
脂肪油で酸化を受けて固まり易い順に乾性油、半乾性油、不乾性油と分類される。
食用、工業用等様々な用途で利用されている。
脂質の構成成分として利用される。
炭素数や二重結合数によって様々な呼称があり、鎖状のみならず分枝鎖を含む脂肪酸も見つかっている。
又、環状構造を持つ脂肪酸も見つかって来ている。
食品中の脂肪と言う時には、脂質を指し個体と液体の両方を含み得る
自らの体を指して脂肪と言う時、脂肪酸のグリセリンエステルの中性脂肪である事が一般的である。
脂質は、単位重量あたりの熱量が9kcal/gと他の三大栄養素の2倍以上あり、生体は食物から摂取した脂肪をエネルギーの貯蔵法としても利用している。
脂質の内多価不飽和脂肪酸に分類されるω-6脂肪酸のリノール酸とω-3脂肪酸のαリノレン酸が必須脂肪酸である。
食事調査は、牛や豚、牛乳等動物性食品に多い飽和脂肪酸の摂取が心疾患等病気との関連を見出しており、脂肪の細かい区別を周知させる事は難しいと考えた栄養学者達が、「脂肪は良くない」と言う単純なメッセージを作ったが、実際には一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸の摂取量が多くてもそうしたリスクを下げる傾向が見られている。
こうした科学的検証の蓄積により2015年のアメリカの食生活指針は脂肪を30%に控えると言う指針を撤廃した。