20代前半に憧れた場所で

20代前半、CAの頃、ロンドンへのフライトがつくと、
必ず訪れた場所があります。
ここにくると、街並みや行き交う人々を見るだけでもドキドキして
「やっぱりイギリス。本当の紳士っているのね」
「あの人も、この人も、
さりげなく履いているハイブランドのシューズが
なんと嫌みなく、素敵なことか!」
と、田舎娘でまだまだ学生気分の抜けない当時の私は
ここの地に憧れを抱き、早くハイブランドのシューズが
嫌みなく履ける、かっこいい大人の女性になりたいと
真剣に願っていました。
それが、「OLD BOND STREET」

いわゆる、ロンドンのブランド街です(笑)
年を重ねて、色々なところに行くようになると
どこの国に行っても、ブランド街はあるし、
もちろん東京にだってあります。
(中でも、丸の内の仲通りは
ちょっとOLD BOND STREETを思わせる雰囲気かな。。。)
でも、私の中でこのOLD BOND STREETだけは
年を経ても色あせない、特別な場所。
今回10数年ぶりに再訪して、自分の記憶と
憧れ感を試してみた。
そして、見つけたこのお店。

「GINA」
当時、その店構えに惹かれるようにして入った靴屋さん。
エレガントだけど、エッジが効いているデザインが
好きで好きで好きで。。。
ここの靴を履いていると、国を問わず
どこにいっても
「素敵な靴ですね。どこで買ったの?」
と、よく聞かれました。
日本ではもちろん、他の国でも見たことがなかったので
ロンドンに行かなくなってから「GINA」に行けなくなってしまったことが
残念でならなかったことを思い出しました。
しかし、10数年ぶりの今回
もちろん喜んで中に入った訳ですが
デザインや雰囲気が以前のモノと変わっていました。
長い間、恋い焦がれていただけに
少し残念でした。
(今でもパーティーシーンに活躍しそうな
シューズは沢山ありますし、十分素敵ではありますが、
私の好みではなくなっていました。
デザイナーさん変わっちゃったのかな?)
でも、いいんだ。
残念だけど、これで永遠に私の中では
あの時のGINAの靴が「憧れ」のままでいてくれる。
今回あの時のままのGINAなら、間違いなく
何足か買って、
当たり前の様に履きまくっていたに違いないから。。。

そんな事で、冒頭でも話しましたが
今回はNEW BOND STREETからOLD BOND STREETまで
ゆっくり歩いて、記憶を辿り、
再訪してもなお、憧れの場所なのかを自分に問うてみた。
答えは
もちろんYES。
GINAの靴が自分の好みと変わっていたなんて
そんなのどうでもいい。
まだまだ経験値が少ない頃の「憧れ」は、
「初恋」にも似たような
そんな特別なものがあるのだということを知りました。