前回も書いたが、今年は秋がちゃんと来そうな気がしている。確信、とまではいかないがそう思うのだ
吹き抜けていく風が涼しく、夜となれば虫のすだきが秋を感じさせる。稲穂もずっしりと頭を垂れている。
遠く平成初期の秋の薫りが、今年はそこはかとなく漂ってくるのだ。

昔は秋が嫌いで、夏が好きだった。5月から11月まで、夏と信じて疑わなかった。
「夏の終わりは自分で決める。」そんな、アホみたいなことを平気で宣っていた。

年齢を重ね、秋が好きになった。夏も良いが、秋も捨てがたい。青く澄んだ空に、少しずつ冬の張り詰めた空気が混じる。その冷気が落葉樹の葉を鮮やかに染め上げていく。愁いを含んだ美しさ。これを感じられる季節は、秋をおいて他にない。

秋が来ると思い出すのは丞相の事だ。諸葛孔明である。亡き玄徳の遺志を継ぎ、蜀漢統一を夢見た孔明。何度も祁山より北伐を試みるが、食糧補給の問題から退くことを余儀なくされた。
その孔明が、最後の北伐の本陣として選んだのが五丈原であった。
その陣中で病に倒れた孔明は言う。

「あの空の極みはどこであろう。」

それほどに、現代に生まれた僕でもわかるほど、秋の空の蒼さは深いのだ。
そんな秋が、久しぶりに来るのではないかと今年はわくわくしている。

以下、おにぎり日記🍙

今回、紹介するのは大宮のとある立ち飲み屋である。名前は伏せるが、おにぎりがある一定の条件を
クリアすると出現する。


塩むすび。100円(税込)。

なんとも潔いネーミング。加えて、今どきワンコインはなかなかお目にかかれない。


開けてみた。
レンチンしてもらったのでホカホカである。これを他のおつまみと合わせて頬張っていく。この豊穣、この至福。孔明はさておき、秋の実りを感じる瞬間がここに在る。

それでは皆様、良きおにぎり🍙ライフを。
see you next time.