ゴーン氏、GMのCEO断る
【ニューヨーク=山川一基】
オバマ政権が昨年、経営破綻(はたん)直前の米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の最高経営責任者(CEO)への就任を日産自動車のカルロス・ゴーン社長に打診していた、と複数の米メディアが3日報じた。
当時の政府の責任者が近く出版する暴露本に内幕が描かれている。
著者は、オバマ政権下で自動車産業再生を担当した米自動車タスクフォース(作業部会)の実質的なトップだったスティーブン・ラトナー氏。
10月に発売する著書「オーバーホール(総点検)」のコピーを米メディアが入手した。
それによると、オバマ政権は昨年3月、GMのCEOを9年間務めたリチャード・ワゴナー氏を更迭した後、ゴーン氏に後任就任を打診した。
だが、ゴーン氏は拒否。
ゴーン氏は「日産・ルノーに強い忠誠心があり、両社が自動車産業の危機を乗り越えるのを見届けたがっていた」。
ラトナー氏は、ゴーン氏はGMのトップになるより日産・ルノー連合にGMを加えることの方に執着していた、と述懐している。
このほか、GM同様に破綻したクライスラーの救済策を議論していた際、最新の選挙データをスタッフが持ち込んでいたなど、ホワイトハウスが選挙への影響を意識していたことを暴露。
オバマ大統領は特に、ワゴナー氏への710万ドル(約6億円)の退職金支払いが及ぼす影響を気にしていたという。
(朝日新聞社)
ちなみに・・・カルロスゴーン氏と言えば以前、こんなニュースも・・・
日産自動車は6月23日開いた株主総会で、2010年3月期にカルロス・ゴーン社長に支払った役員報酬が、約8億9千万円だったことを明らかにした。
ゴーン社長は「報酬は会社の業績と個人の実績に加え、同程度の売り上げがある他の企業などと比較して決めている」と説明。
今回の基準となった09年3月期決算は世界同時不況による販売減が響き、連結営業損益が1379億円の赤字だった。
日産は総会の招集通知に関する資料で、社外取締役を除く取締役10人に対し、計16億9千万円の報酬を支払ったと公表している。ゴーン社長がこのうち、半分を占めていたことになる。
ゴーン社長は日産の親会社の仏ルノーでも会長と最高経営責任者を務めている。
09年のルノーでの役員報酬は約124万ユーロ(約1億3800万円)だった。
日本では、1億円以上の役員報酬を受け取った役員は、その額とともに有価証券報告書で開示することが義務付けられた。株主総会での公表も相次いでいる。
ストックオプション(自社株購入権)の受け取りを除いた例では、ソニーがハワード・ストリンガー会長兼社長に約4億1千万円を支払ったことが明らかになっている。
(朝日新聞社)
