カシコイヤツ 2 | ニシダ☆テツヤ NSR

カシコイヤツ 2

メッキがそんなに賢いなんて初めて知りました。




普通フィッシュイーターが近くにいるとイワシ等のベイトフィッシュは一目散に逃げ惑うのですが、この日のイワシにはそんな様子がありませんでした。

僕が打つダンゴに夢中になっているからというのもあるでしょうが、よくよく観察してみるとどうやらそれだけの理由ではなさそうでした。




メッキがイワシの竜巻に近付くのは必ずグレの群れに紛れてでした。

しかもダンゴの濁りの中に入ってもしばらくはグレやイワシと同じようにだんごの粒子を貪るように食っているのです。

そういうフリをしているだけかもしれませんが、僕にはそう見えました。

それが突然メッキどうしがタイミングを合わせてイワシを一気に襲うのです。

しばらくするとイワシの竜巻は徐々に密度を落としていき、やがて消えてなくなってしまいます。

イワシはそこいら中に散らばりますし、グレはグレでまた小さな群れを作ってウロウロしはじめます。

じゃあメッキはというと、驚くことにそのグレの群れに合流し、行動を共にするのです。

柱になっているときと比べたら密度は低いものの、イワシの大群ははまだ一面にいますし、その中をメッキはコッパグレの群れに紛れてうろついているのです。



まだ生まれてから間もない幼魚だというのに、なんという頭脳プレーだろうと僕は驚いてしまいました。




結局僕にはチヌは釣れず、イワシとグレと賢いメッキにエサを与えただけの釣行になってしまいましたが、とても面白い光景が見れたことは良かったと思います。