㉞続々・最高のチーズとフレンチと | 私的パリ案内

私的パリ案内

大好きなパリ!美術館も音楽もいいけれど
美味しいものもチョコッと食べてみたい
そんなおばさんの旅レポートです

 料理は佳境に入り、メインへ。段々品数が少なくなって、こちらは2品。私も

完全に復活したわけではないが、それでもお腹がいっぱいになる気配が無い。

母からも「美味しいね。」という言葉が出ない。北海道の人間は、飛び切りの素材

をそのまま食べてこそ最高と思っている節がある。私としては素朴な食べ方も悪

くはないと思う。だが、ひと手間かけたからこその美味しさもあるのだと気付いて

欲しい。そう思うから、ここをスケジュールに組込んだ。


魚はスズキのグリル
スズキ


肉は鴨、付合わせにエシャロットとセップ茸、

スライスしたマロン

鴨

 スズキは食べ易い魚だ。ズッキーニの花と茹でたキャベツを貝から取っ

たソースで頂く。これまた画像で分かる通りに、あっという間の量だった。

そして鴨。実はもう少し大きいはずだったが、娘も私もお腹の調子が万全

ではない。サイズをやや小さめにして貰った。この辺りで、やっと食べた

という気がして来ている。次にデザートが来るので残りの胃袋は取ってお

こうという作戦。

 鴨はシャランのもの。鴨の中の最高級と言われている鴨だ。どこか他

の店でも食べた記憶があるが、この店では2回目。鴨は肉に弾力があり、

かみ砕く力が弱っている母が食べるのはどうか?と少し心配したが、こ

れもすっかり綺麗に食べてくれた。「ほんのちょっぴりしか出ないね。」

と皮肉を言うでもなく、食べ続けている。年齢の割には食欲は衰えてい

ないみたいだ。以前TVで見た話だが、長生きするお年寄りは良く食べる

そうだ。母も長生きして、90歳でもパリに来るってありかもと思った。

 やっとお腹がいっぱいになって、次はお楽しみのデザート。実は前回

Solaのデザートだけは物足りないままで終わった。ランチのせいかも

知れないが、とっても地味な一品で見た目も華やかさから遠かった。パ

ティシエが他にいるのか、それともデザートまで𠮷武さんが作るのか?

今回もディナーだけあって一品という事はなかったが、一つはシャー

ベット、もう一つはアイスクリームを使ったもの。ヴァリエーションと

してはやや弱いなと感じる。


パッションフルーツのシャーベット

デザート マンゴー


ココナッツのムースの中に

シャーベットとマンゴー、バナナ、メレンゲ
デザート①の中


りんごのアイスクリーム、コンポート添え

デザート パイ


サクッと焼いた軽いパイの中は、アイスクリームの他に

キャラメリゼした林檎とヘーゼルナッツ

デザート②の中


最後のこれは忘れてしまった

デザート 最後


これはお茶の友のクッキー

クッキー


母と私は緑茶で

緑茶


 一人当たり約110€(約15,400円)のコースを食べ終えての感想。品数や

一品一品に掛ける丁寧な仕事は素晴らしい。だがエラそうな事を言わせて

貰えば。今回の食事で何が印象に残ったか?と聞かれたら、やはりフォ

グラの味噌漬けと鴨だろう。その他は美味しかったが、はっきりと印象に

残るほどのインパクトがない。それは量的な問題もあれば、舌に残った味

の記憶の薄さとも言えるのではなかろうか。

 そして、もう一つ難を言えば盛付け。アペタイザーの③と④は凝ってい

ると見るべきであろうが、まるで‟容器”のような大きさ。何故あれにし

なければならないのか?理由が分からない。似たようなことが、もう一つ

の日本人シェフでミシュラン一つ星「Restaurant Kei」(レストランケイ)

にも言えるような気がする。画像で料理を見る限り懐石料理のごとく量が

少ない。ただ料理のディスプレイは美しい。まだ一度も訪れたことは無い

が、今の所行く気がしない。まっ、こんな事を言っていてもチャンスがあ

れば私はきっと行くだろう。このお店もなかなか予約が取れないと聞く。


 帰りのタクシーは見覚えがある地下トンネルを通り、超早かった。今ま

で乗った中では一番ではなかろうか。ホテルの近くに着いて14.10€。料金

的にも最安だった。