明日の朝食を確保した後、夕食のレストランへと向かう。オ・ルヴァ
ン・ダンタンから目と鼻の先にあるお店はすぐに見つかった。だが開店が
19:30からだったので、アベスの駅に戻り椅子に座って休憩することにし
た。まだ30分ぐらい待たなくてはならない。以前アベスの駅からホテルま
で戻った時に、螺旋階段がぐるぐる延々と続く駅だったように記憶してい
る。娘に確認すると「そうそう、大変だった。しかもスリに出会って。」
と言う。そっかー、時間があるから「Navigo」(ナヴィゴ)を作りたいと
思うけど・・・。
ナヴィゴを正式に言うと「Navigo Decouverte」(ナヴィゴ デクーヴェ
ルト)と言う。主に観光客用の定期券。これがあればメトロとバス、パリ
市内のRER線が乗り放題。今回も1週間券を明日購入する予定だった。(ナ
ヴィゴについては前回のブログで詳しく説明している)迷っていると、娘
が「ちょっと見てこようか?」と言ってくれた。ぐるぐる階段だったら、
明日別の駅で。そうでなかったら今作ろうという話になった。
数分後、娘が前に見た駅と違うみたいだと言う。どうやら普通の階段を
降りたすぐの所に、改札があるようだ。結局3人で階段を降り、ナヴィゴ
を作る事になった。もっとも私達は前回のものを使用できるので、チャー
ジだけ。改めて作るのは母の分だ。
最初、駅員さんに自動券売機を使ってくれと言われた。だが日本の券売
機と違って、クレジットカードが機械の中に吸い込まれてゆく方式。うっ
かり何かミスをして出てこなかったら、どうする?という考えが私の頭を
過ぎる。杞憂だろうけれど日本方式じゃないのが不安。そこで全く分から
ないフリをして、渋っていた駅員さんに作って貰うことにした。(スミマ
セン)一人一人ずつナヴィゴの処理をするので、結構に時間が掛った。せ
めてチャージの分ぐらい一度に出来ないのかと思ったが、ここは黙ってい
よう。
やっと1週間分の処理が終わったナヴィゴ3人分が手に入った。母の分
だけは写真を貼って、名前を書かなくてはいけない。出来上がったナヴィ
ゴを母に渡すと、何?という顔をする。「これを持っているとね、地下鉄
やバスが自由に乗り降りできるんだよ。」と説明する。何となく納得した
ような顔をしている。いいから、いいから、明日になれば分かるってと私
は心の中で呟いた。
母はナヴィゴに貼った写真をどうしたの?と聞く。ああ、それのこと。
「家にある写真をナヴィゴに貼るサイズに切って、持って来たわけ。」と
言うと「へえー、そんな写真あったっけ?」「ほら、今年札幌へ行った時
に撮ったでしょ。」「あー、そうだったかね。」と、ほとんど覚えていな
いような返事。でもあの時、藻岩山の景色にうっとりしていたよ、母。
ナヴィゴは自分以外の人が写真を貼ったり、名前を書いたりしても良い。
代表者がまとめて作ることが出来る。写真もパスポートのように厳密でも
ない。正面を向いていて、本人であることが分かりさえすればいい。この
気楽さ、すっかり気に入っている。使いづらい点があるとすれば、使用期
間が月曜日から日曜日の1週間に限定されていいることだろうか。買った
日から1週間だったら良いのに。面倒なのか、日本のように精密な仕様を
機械的に設定出来ないのか・・・。今回私達は火曜日にパリに到着し、来
週の月曜日にCDG空港へ向かう。最後の日はホテルの送迎チャーター(送り
だけだが)を使う予定なので、使う日数としてはまずまずのところ。ただ
今回は母の足を考えるとナヴィゴをどれだけ使いこなすか?という疑問が
ある。出来るだけバスを使いこなそうと、バス路線も調べ上げて来たが。
ナヴィゴ表。改札機が読取る磁気カードはプラスチック製
反対側に顔写真と名前を書いたカード(紙製)を入れる