２月２０日（土）日本臨床・公衆栄養研究会 第125回講演会「電子レンジの基礎理論と幅広い活用法」に行ってきました
本日の講師は、学術博士・管理栄養士、文教大学女子短期大学部 健康栄養学科教授の肥後温子先生です
日本医療栄養センター所長 医学博士・管理栄養士の井上正子先生のご挨拶のあと、肥後先生の講演が始まりました
第一部：「ヘルシー・省エネ！電子レンジ利用術」講習
“電子レンジ”には、「マグネトロン」と呼ばれる特殊な真空管が取り付けられ、２４億５０００万ヘルツの電波（マイクロ波）が食品をめがけて放出されています。つまり、電子レンジは「電波加熱機」なのです
そもそも「電子レンジ」というネーミングは、「電子」というと高級感を与えていた時代につけられたそうです
正確には「電波レンジ」または「電気レンジ」
確かに、英語ではmicrowaveですものね・・・
電子レンジは、第二次大戦が終結した１９４５年にマイクロ波に新しい役割が発見されました。
加熱に使えることが分かったのです
アメリカのレイセオン社でレーダーの研究をしていたパーシー・スペンサー博士が、ポケットのチョコレートが溶けているのに気づいたのが加熱のはじまりだそうです
こちらは、ミートローフを大手メーカー５社の電子レンジを使って調理したものです。
同じワット数、同じ調理時間にも関わらず、メーカーにとってこれだけの差が出るそうです
従って、料理本に「○ワットで○分電子レンジで加熱する」と書いてあっても、鵜呑みにしないであくまで目安と考えた方が良いそうです
どうりでレシピブック通りに加熱しても、うまくいかないことがあるのね～
健康ライフへの電子レンジの利用例
- 低エネルギー・低脂肪食への利用－蒸し料理、下ごしらえに活用→和風料理を増やす。油料理の吸油率を減らす。
- 糖分制限食への利用－玉ねぎの甘みを出す→砂糖を減らす。
- 塩分制限食への利用－素材の味を生かして薄味に。
- 酵素の失活、色やビタミンを残す
- 殺菌効果の利用
- 衛生的な解凍手段
- でんぷんの老化防止・消化性の向上
電子レンジの最大の特徴は、下ごしらえが簡単、しかも栄養価を大切にすること
根菜、葉菜の調理にも水がいりません。
手間がかからないだけではなく、栄養成分が水に溶け出すのを防ぎます。
下記は、電子レンジと従来の調理方法とビタミンＣの残存率を比較したデータです。
驚くことに、電子レンジで調理したほうがビタミンＣ残存率が圧倒的に高いです
- ほうれん草８２％（煮沸６９％）
- きゃべつ９３％（煮沸７３％）
- さつまいも８８％（電気オーブン３５％）
加熱法の特徴
- 光熱費が１／４！
- ビタミンが残る！
- 無機質が残る！
- シャキシャキした歯ごたえ！
- 甘みがある！
- 水を使わないのでうまみが逃げない！
- 色が美しい！
- 手間が省ける！
電子レンジ活用術
- 温め
- 解凍
- 下ごしらえ（オススメ）
- 調理
- リフォーム（オススメ）
- 湯せん
- 軟らかくする
- 乾燥
- 殺菌
第二部「電子レンジ簡単クッキング」
続いて、全工程を電子レンジを使ってお料理を作っていただきました
本日のメニューは、「中華おこわ」「なすとじゃこの煮浸し」「菜の花のおひたし」「レアチーズケーキ」
これら全て電子レンジのみを使って作りました
先生のお手本のあと、３班にわかれてそれぞれ調理しました
前菜「なすとじゃこの煮浸しと菜の花のおひたし」
主食「中華おこわ」
デザート「レアチーズケーキ」
どれも本当に美味しく、そして簡単にできました
今回の講演に参加させていただき、電子レンジの素晴らしさを再認識することができました
省エネ、エコ、そして時短のために、これからもっと電子レンジを活用しようと思います
今日は肥後先生の貴重なお話を聞くことができ、とても勉強になり有意義な一日を過ごすことができました
そして、お料理教室ではまるで学生時代の調理実習のようで、とても楽しかったです
何よりも自分たちで作ったお料理をその場で試食できて本当に美味しかったです
管理栄養士の先生方と一緒にお料理をさせていただくことはとても勉強になり、貴重な経験です。
デップのごはん、そして日々の料理に大変参考になることが多かったです
これからも家族のために健康を考えたヘルシーで美味しい料理を作れるよう日々努力したいと思います
次回の日本臨床・公衆栄養研究会の講演会は、３月２７日（土）を予定しております。
※肥後温子先生の著書“新版 電子レンジ「こつ」の科学”
柴田書店より絶賛発売中です
お土産でいただいたので、じっくり読ませていただこうと思います