八月四日八月四日 北一輝氏、先生は近代日本の生める唯一最大の偉人だ、余は歴史上の偉人と言われる人物に対して大した興味をもたぬ、いやいや興味をもたぬわけでないが、大してコレハと言う人物を見出し得ぬ、西郷は傑作だが元治以前の彼は余と容れざるところがある、大久保、木戸のごときは問題にならぬ、中世、上古等の人物についてはあまりにかけはなれているのでよくわからぬ、ただ余が日本歴史中の人物で最も尊敬するは楠公だ、しかして明治以釆の人物中においては北先生だ。
八月三日八月三日 中佐の命日、読経す、中佐を殺したる日本は今苦しみにたえずして七テン八倒している、悪人が善人をはかり殺して良心の苛責(かしゃく)にたえず、天地の間にのたうちもだえているのだ、中佐ほどの忠臣を殺した奴にそのムクイが来ないでたまるか、今にみろ、今にみろ。