監督・主演がケネス・ブラナーということで、大いに期待して観て来たのですが、ブラナー演じる名探偵エルキュール・ポワロのデカイ口髭がカッコよかったですが・・・私は1974年に公開(日本は1975年)された、旧作の方がよかったという結論であります♬
ブラナーはコッポラ政策の「フランケンシュタイン」(1994年)の監督・主演もやっていて、かの大ヒット作品「ハリーポッター」シリーズの2作目「ハリーポッターと秘密の部屋」(2002年)でインチキ魔術教師ロックハート先生を演じたり、多才な役者さんであります♬

旧作も今回もオールスター・キャストによる豪華な作品であることには違いないのですが・・・確かに未亡人役のミシェル・ファイファーも殺されてしまうラチェット役ジョニー・デップも教授役のウィレム・デフォーも素晴らしかったのだが、やはり旧作のオールスターの方が数段上であります!

1970年代はオカルト映画にポリスムービーが流行り、同じオールスター・キャストで制作されたパニック映画も数多く作られた時代でしたが、この『オリエント急行殺人事件』は大ヒットとなりました。

主演はエルキュール・ポワロにアルバート・フィニー、未亡人役にハンフリー・ボガードの妻だったローレン・バコールにラチェット役が私が大好きなリチャード・ウィドマークに大女優イングリッド・バーグマン、ヒッチコックの「サイコ」でノーマン・ベイツを怪演したアンソニー・パーキンス・・・その他にも名優ショーン・コネリー、バネッサ・レッドグレーブ、「トラトラトラ」のマーチン・バルサムにマックイーンの「ブリット」のジャクリーン・ビセットと凄いキャストでした・・・そうして監督が「12人の怒れる男」・「狼たちの午後」・「セルピコ」のシドニー・ルメットですから、面白くないワケがなかったのです♬

もちろん今回の新作もそれなりに素晴らしく出来てはいました・・・オリエント急行が走る夕景の画面やオリエント急行車内の豪華なセットなど息をのむ美しさでした。
そうしてブラナーのポアロはアルバート・フィニーの奇妙なポアロよりも明らかにカッコよかったです・・・私はフィニーのポアロは正直嫌いでしたから(笑)

殺され役のジョニー・デップですが、これはもう旧作のウィドマークの方が憎々しくていかにも悪そうな雰囲気には敵わないと思います。
リチャード・ウィドマークという役者さんは、40年代のギャング役から西部劇の保安官に軍人に刑事映画のはしりとなった「刑事マディガン」etcどんな人物を演じても独独の雰囲気があって・・・そうしてTVの吹替えは大塚周夫さんでないとダメなのでした♬

未亡人役のミシェル・ファイファーとローレン・バコールはもう文句なしにバコールに軍配が上がりますが、ファイファーも80年代のセクシー女優から年を重ねて、これからという感じはありました・・・よかったですけどねッ♬

旧作で宣教師役を演じたイングリッド・バーグマンはこの作品でアカデミー助演女優賞に輝きましたが、1982年に67歳で亡くなりました・・・素晴らしい大女優でしたね~♬

ウィドマークの秘書役のアンソニー・パーキンスは「サイコ」のノーマン・ベイツ役がハマり過ぎて、その後の俳優人生でもベイツを演じ続けておりました・・・終生ベイツのイメージから逃れられなかった俳優さんでした!

やはりこうして比べると、新作の方が役者が小粒な感じなんですね~仕方ないんだけど!
ジャクリーン・ビセットは1970年の「大空港」が好きだったけど、2003年の「J・F・ケネディJr./悲劇のプリンス」でのジャクリーン・ケネディ役はよかった🎵

本当は新作の『オリエント急行殺人事件』についてもっと書こうと思ったのですが、やはり旧作の思い入れがが強くて上手く書けませんでした・・・但し非常に品が有り格調の高いミステリー作品に仕上がっていたとは思います。

劇中のラストで「ナイル殺人事件」について語るシーンがあり、これは次回作の制作もありますという宣伝の様でした(笑)
旧作も『オリエント急行殺人事件』のヒットに続けてポアロ役をピーター・ユスティノスが演じて「ナイル殺人事件」(1978年)・「地中海殺人事件」(1982年)・「死海殺人事件」(1988年)と制作されましたが、『オリエント急行殺人事件』ほどのヒットとはいきませんでしたね!

ミステリー作品は結末が分かっていても、よく出来た作品なら面白いのです♬