宇和島で田口洋美さんの講演-狩猟と農耕 | しもちゃんのブログ

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11月30日、宇和島市きさいや広場、市民ギャラリーで、表記の講演会が愛媛大学東アジア古代鉄文化センターと宇和島市の共催で開かれた。


田口さんは現在山形にある東北芸術工科大学教授、東北文化研究センターの所長でマタギの研究家として著名な人。


新潟の三面・小国、長野秋山郷、秋田阿仁のマタギの活動を通して狩猟民の生態を明らかにしている。


マタギのとらえ方はテレビなどで紹介される奥山での熊猟と言った一面的なものでなく、狩猟、漁労、最終、農耕に渡る全面的名物で、一年の生活においては冬を越す越冬ではなく、収穫物のない夏をどう凌ぐかという越夏こそ問題なのだと。


また狩猟には奥山などで展開される積極的攻撃的な猟と集落近辺での排除的、防御的な猟があるという。

集落近辺での農作物は鳥獣にとって美味しい食べ物であり、だから鳥獣は引き寄せられ、また被害を抑えるための排除の対象でもあるという相補的関係にあるという。


ここで弥生集落論に思いをいたすと、弥生の鏃は縄文伝統としての狩猟具か戦闘のための武具かの二種に単純に分けて始末してはいまいか。


弥生の農耕の開始とは今までになかった新たな鳥獣を集落近辺に引き寄せることであり、これとのやり取りが大きな課題であったはずだ。近世のシシ垣のみならず、今でも農家はこれらの撃退に苦労しているではないか。


この観点から鏃のみならず、集落の施設も含めて再考する必要があるんじゃなかろうか。


高地性集落論なんて邪馬台国誘致のための観念の産物なんだよ。それにしても近頃は高地性集落論なんて大声あげて宣う輩はいなくなったな。みんなどこに行った。

いろいろ考えさせられる講演会であった。
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