文化的石庖丁作りに挑戦ー容易だったり難しかったり | しもちゃんのブログ

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西予市教育委員会が普及事業で行っている石庖丁つくりに参加


昨年来の継続実習であるが、昨年疑問に感じた問題をクリアーすることも含まれている。昨年の疑問は何故伊予の石庖丁は形作りがまま成らず、大きさが小形になるのだろうかということと穿孔がこんなに難儀なのだろうかということでした。


それは同じ結晶片岩を使う畿内南部の石庖丁はなぜ、あんなに細長に奇麗に作れるのであろうかということでありました。

 それで同じ構造線上にある伊予(肱川)、阿波(鮎喰川)、紀ノ川の結晶片岩で石庖丁を実際作って見ることにしたの。


紀ノ川はまあ楽勝でしたね。まず成形は畿内らしく直線刃半月形にするため、背部に打裂を加えアール状に加工するんだけど、その一打の反応が好ましく、長さ3cm位、幅0.5~1cmで細かく割れてくれるため、アールが思い通りの形になった。石材は柔らかく、粘着的であった。穿孔もチャート礫を割ったドリルでやったが、割に素直にあいた。


阿波のは畿内よりすこし難儀した。材がすこし堅いようであるが、これも想定内で完成。


伊予のはやっぱし最難儀でした。まず周縁成形の一打が、長さ6~7cm、幅1~1.5cmにもなり、予定のサイズを変更せざるを得なくなり、同時に不格好なものになった。紡錘形を目指したのが針魚みたいになってしまった。どうも伊予の結晶片岩は硬く、走行方向に一挙に割れるようである。それに石英の斑が多すぎる。

 硬いがため、穿孔の難儀なこと。穿孔の度合いはキャリパーで測りながら進めるが、やったと思ってはかってもその進み具合は0.1~0.2mm単位で、ため息ばかり。何度ドリルをあらたにしたか。


なんぼやっても一孔もあかず、一時は投げ捨てかけた。昨年も空けることができず、これで2連敗かと暗澹たる気持ちになった。

 ところがである、松山市考古館に孔あけ名人、魔の手をもつKJ君という人がいて、な・なんと7分で空けるという。さっそく、教えをうけ、再挑戦。今度はサヌカイトドリルを使用。坂出市金山からとってきて、貯蔵していたそれから剥片をつくり、さいどう挑戦。時間はかかったが、2孔とも完遂。涙の挑戦でした。

でも伊予のそれを1時間以内で空けて人もいるとのことだが、どうなっているんだろう。
しもちゃんのブログ (上)紀ノ川産・直線刃半月形、(中)阿波鮎喰川産、(右)伊予肱川産で、伊予は穿孔途中であきらめた。

しもちゃんのブログ 紀ノ川産の製作途中。外縁成形をやっているんだが、あの細かさで書き取りが可能。思うような形にできますよね。

しもちゃんのブログ 伊予産の外縁調整。どんなに注意して細かくやっても一発でこの大きさで割れ。手が付けられない。

しもちゃんのブログ 魔の手の持ち主に教えられて、伊予産にも二孔があいてやっと完成。

しもちゃんのブログ 親子もなにも一生懸命ですね。