瀬戸内海考古学研究会公開大会はいよいよ今週末となりました。
5月19日(土) 12:50からです。会場は愛媛大学南加記念ホールです。
今日は第四部、アジアの墓制の発表要旨をお届けします。
演者は愛媛大学鉄文化研究センターの松永悦枝氏です。
演題は「韓国三国時代の墓制と土器副葬の地域色に関する基礎的研究」です
その要旨は以下の通りです。
日本列島で古墳文化が盛行するほぼ同時期、海をはさんだ朝鮮半島でも、高句麗・百済・新羅と加耶諸国がそれぞれの地域で盛衰をみせる。三国時代と称されるこの時期は、横穴式石室墓制の起源を考える上でも注目されていることはいうまでもないが、では、朝鮮半島の墓制の変遷過程はどのようであったか。本発表では、まず、朝鮮半島における墓制の変遷に対し、どの階層の墳墓でも副葬され、地域色が明確な副葬土器の組成を中心に葬送儀礼の面からアプローチを試みる。これまであまり言及されてこなかった三国時代における土器副葬の地域性について指摘し、埋葬施設形態と比較しながら三国時代墓制の変遷と日本列島への伝播様相の把握への基礎とする。