好天の4/29、慶北大学校もと教授の李白圭先生と大邱の嶺南文化財研究院の韓道植氏らが、西予市笠置峠古墳や宇和島市の遊子水ヶ浦の段々畑(文化的景観)を訪れた。
笠置峠古墳では両氏が真剣に話し込んでしまい、何のことかと訝ってたら、笠置峠古墳の葺き石の積み上げ方、方法などから刺激を受け、韓国の積み石墳もこうした手法をどう導入してゆくかとの話であったらしい。
もどりは、里山ゾーン、笠置街道を徒歩で下ったが、いい散歩コースですねとの感心振り。
李先生はかって今治市の妙見山古墳の墳頂にたって瀬戸内海を見下ろして、「こうした景観が人の心を平和にするんですよね」と語ったこを思い出したが、ここにも文化財と景観がもつ重要な役割がある。文化財(この場合は古墳)の整備は単にその歴史的価値を型式的に伝えるにとどまるのではなく、人間存在の根本に触れる力をもつものだ。
文化財の整備関係者はこれくらいの哲学をもって対応すべきものでしょう、。技術的対応や飾りでけでは済まぬ深い価値があるのだ。
そのあとは宇和島市三浦半島の遊子水ヶ浦の段々畑。こうした景観は列島独自のものらしく、珍しげであった。
昼食は三浦半島下波の筏屋。真珠作業小屋での鯛の塩竃、とれとれ生ウニ(また尿酸値が上がりそう)、アコヤの貝柱、その他もろもろで満腹。
話は戻るが西予市の笠置峠古墳の眼下に開けた宇和盆地はレンゲ祭りの日。お母さんを中心にした家族連れが圧倒的に多く、レンゲ畠に弁当を開いて、初夏の日差しと伝統的田畑に接する楽しみは実にスローで微笑ましい風景であった。笠置文化保存会は出店をだし、古墳の保存活動、村の歴史などを展示し、多くの人にこの里を理解してもらおうと汗をながしていた。
ところが一方、アンプを付けた大音量で歌などをガナリ建てる奴もいる。何を考え違いしているのか、自分さえよければ何してもよいと。安寧に時間を過ごそうとする多くの人にとってはただ、迷惑なだけではないか。どういう場と心得て振る舞っているのか。
実行委員会も不要な音楽が大音量で流しまくるなど、人が集まり、ニギワカシすればよいという、アホなイベント屋の悪い方法を真似してるだけではないか。行政のイベントの基本的考え方はこの程度でもあるが。
笠置峠古墳の石槨のよこで、真剣に。
筏屋の採れたてウニ
賑わうレンゲ祭り。
農村に親しむ、自然に親しむということが人間にとって、またその歴史にとってどういうことか理念をもって運営すべきだ。脳みそも使え。