2008年09月14日
先ほども書きましたが。。。
魔王、終わりました。。。。
しかし!これで全話終了、全てネタバレしたので、正々堂々、じっくりと比べたり、妄想したりできるわけです。。。
もう少し、魔王を楽しむつもりの私でした。
今日は、とりあえず最終話を見ての感想。
魔王サントラ(日本版がどこを探してもないから、韓国版)を聴きながら。笑
けっこういいです、この、韓国版と日本版のMIXさ加減が(笑)
それで、最終話ですけど。。
昨日、リアルで見て。
そしてその後ラスト17分を2回リピって。
そして、今日、最終話を頭から通しでリピりました。
こんだけリピっても。
泣けました。。。初見と同じくらい泣けました。
私的には、日本版、想像を超える有終の美を飾ってくれたと思います。
まさかあんだけ丸ごと死ぬとは思っていませんでしたが。。。
韓国版より死んだ人間、多いです。。。本当に丸ごと逝きましたねえ。。。
日本版魔王は、韓国版魔王の3話分を1話にまとめて放送してます。
最終話は、やっぱりラストを大事にしたかったのでしょう、ラストの部分を長くとっている為、(見てる分にはあっという間ですが、時間の割合として)そこにいたる部分はやや駆け足の印象でした。
駆け足でどんどん死んでいくので、多少雑な印象でしたが、そうやってでもラスト17分を優先したかったのでしょう。
そしてその判断は賢明でした。
(まあ、贅沢を言えば。。。15分拡大にして、芹沢家の最期をもっと丁寧に描いてほしかった。麻里&葛西、最期の海辺のシーンを割愛してでも。。。)
正直、この最終回に至るまで、ストーリーのさまざまなシーンを割愛し、ニュアンスをいじってきた手前
「ラストはこうするしかないよなあ。」的な予想はありました。
こういった神ドラマのラストを結ぶことの難しさもなんとなくわかりますし、最終回においては期待しすぎず、
少しの粗は大目に見よう、的な手加減も加えて見よう、とも思っていました。
しかし、ラスト17分、私は号泣しました。
静かに泣く、でもなく、ぐずぐずっと泣くのでもなく、号泣です。うえっうえっ、です。
理由は。。。。。
一番の理由は、芹沢直人です。
芹沢は兄・父が死んだことを知ったとき、成瀬の復讐を自分の手で止めようと、成瀬を殺すことを決意します。
そして成瀬を呼び出し、拳銃を成瀬につきつけます。
ここまでは、「いつもの」芹沢でした。
ですが、芹沢は最期の最期で、成瀬の「復讐の真実」に気がつきます。
そこで芹沢は、やっと「真実」にたどりつけたのです。
自分が犯してしまった過ちの重さ。
成瀬は芹沢にとって、恐ろしい復讐者であると同時に、芹沢の贖罪の生贄であるということに。。。
成瀬の命を賭して信念を貫こうとするその強い意志、その裏にある悲しみ、苦しみにやっと気がつくことができたのです。
そして、芹沢は成瀬を殺すことができません。
僕を殺せと迫る成瀬の前に泣きながら抵抗する芹沢は「いつもの」芹沢ではなくなっていました。
天使のような。。。人間の業から放たれたような芹沢。
私ははじめて芹沢に「善」を感じました。
芹沢は物語の冒頭から、正義感の強い人間として描かれていました。
ただ、それはどこか曲がっている。。。
10話で芹沢栄作が言っていた「曲がった道をまっすぐに思い込む」人間のそれでした。
その道は、真実から逃げるために芹沢自身が作った偽りの道でした。
成瀬が計画した連続殺人事件により、芹沢自身がそのことに気がついていくのですが、それでも「真実」を
認めることが難しく、芹沢はやはり「真実」に対峙しきれないでいるように私には見えました。
韓国版では「真実」に対峙していくカン・オス(刑事)の姿が印象的だったのに対して、日本版ではその描写が
甘く、どうしても芹沢に感情移入することができませんでした。
韓国版とは時間の尺も違うし、別物としてみていたつもりの私でも、「刑事が真実に近づいていく様」がこの作品の肝だと思っていたので、ここの描写が甘いとなると、ちょっと日本版は弱いなあ、と思っていたのですが。
そんな気持ちは、この最終回で全て吹っ飛びました。
最期の最期、兄も父も、なにもかも亡くした芹沢は、この極限の状態で、やっと「真実」にたどり着けたのです。
(ということは成瀬の復讐はとても的を射ていたことになります。とても悲しいことですが。。。)
そして、成瀬ともみ合ううちに芹沢は銃に撃たれます。
撃たれた、ということを芹沢が悟ったとき、彼はこう言いました。
「これでよかったんだ。最初からこうしていれば・・・」
この一言に、彼のこれまでの苦悩が凝縮されており、先ほど感じた芹沢の「善」に心が揺さぶられます。
これまでの彼の行動や言葉が映像でフラッシュバックされ、実は自分が芹沢に惹かれていたことを知るのです。
今までどうしても好きになれなかった芹沢に対し、憐憫と情を感じ、亡くなっていく彼に愛情を感じたのです。
そして彼は成瀬にこういいます。
「生きてください。自分のために、精一杯。生きてください。友雄さん」
「許してください。俺のことも。自分自身も」
この時の芹沢はとても安らかで、美しかったです。
この2言の言葉が、芹沢と成瀬の魂を救うことになりました。
そして、やっぱり、この話は。。。
ヒーロー=芹沢
ヒロイン=成瀬
このふたりの話でしたね。。。。。
最期の芹沢の「光」「癒し」「慰め」、どの要素もしおりからは感じられず、妙に納得してしまいました。
そりゃあしおりじゃ止められないって。。。
日本版「魔王」は、ジェットコースタードラマでした。
スピーディーな展開でさまざまな「真実」が向こう側から猛スピードでやってくるような、そんなカタルシスを感じさせてくれたのですが、最終章の17分の「真実」は見事でした。
正直10話までの芹沢だったら、ラストはどうしめるんだろう。。。説得力がまるで無いのではなどと心配していましたが、芹沢の急成長を臨場感溢れる設定で、目撃することができました。
最期の最期で、W主演という冠にふさわしい力演でした。
なかなかやるな、生田斗真!!!
このために、芹沢はぐずぐずしていたのかあ。。とか考えると、凄い脚本力ですね。
韓国版魔王のラストでは、カン・オスとスンハが兄弟のように見えましたが、日本版では天使が2人でした。
芹沢さん、友雄さん、やすらかに。。。