隠し砦の三悪人 | 北東西南

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shimaのアイドル・芸能ブログです。

2008年05月20日


☆☆☆☆☆

私のことだから、松潤版とお思いの方もいるでしょうが、黒澤版です。
より美味しく楽しむ為には予備知識を仕入れてから!と思ったのだけど。。
でも。失敗した。
ネ神すぎます。オリジナル。。。

恥ずかしながら、黒澤映画を見るのは初めてで。
まあ、すごく「作り手」を意識させる映画でした。
というのはね。
最近の映画はヒットさせなきゃいけないから、キャスティングがその映画の色を決めちゃうようなところがあるでしょう?
最近流行のTVで好評だったドラマとか、スピンオフものとか。。
でもそれって、私はPVだと思うのですよ。。
映画っていろんな楽しみかたがあるので、一概にこれが良いとはいえないんだけど、
私は映画ってそもそもは脚本と撮影と編集のもので、役者の演技はあんまり必要ないって思っている(っていうかそういう総合芸術的な映画が好き)たとえると模型と模型の中にいる人形のような(そこまでいうといい過ぎか)でもそういう意気を作り手から感じるような作品が私は好みだ。
今だって低予算でじわじわくるような映画はそういうものが多いよな。。。
映画は監督と脚本家で選びましょう。
カウフマンカウフマン♪

で、本題。
この映画の主要登場人物として
姫・姫を守る侍大将・農民2人が出てきます。
この映画の主人公は、落城した城(国)の姫を守る侍大将、真壁六郎太といわれていますけど(三船敏郎が演じています)、登場人物全員に魅力的なエピソードがあり、いきいきしています。
特に、姫を演じた上原美佐の野性的な魅力がすごい・・
この映画でデビューしたらしく、恐ろしくドヘタで素人演技、せりふは全部怒鳴ってるんだけど、それが雪姫の不器用な一面につながっているように見えて、また、「違う世界で生きてきた人」感がうまく出ていて、ばっちりなんですよね~。
この「隠し砦~」は雪姫と六郎太の脱出劇なんですけど、この脱出の目的が、滅ぼされた雪姫の故郷、秋月の再興の為に必死になっているわけで(農民2人は金の為なんですけど)この目的の核になっているのが、雪姫の志なんですよ。その雪姫が、下界のものと交流して、いろいろな経験をして人間として成長することで、この脱出劇に益々の意味が出てくるわけで、雪姫を好きになれるかどうか?がこの映画を楽しめるかどうかのずばり核なわけですよ。
黒澤版は、雪姫にばっちりのキャスティング(当時は無名の新人です)
をしたことが、映画の成功につながっています。
(「風と共に去りぬ」のヴィヴィアンリーのキャスティングに匹敵するくらいばっちり!)
でもね、上原美佐もね、演技らしい演技はしていないわけですよ。
上原雪姫を「どう見せるか」という監督の演出の妙技といえますね。
この雪姫を、長澤まさみがどう演じるのか。。もうこの時点で松潤版を見るのをためらうくらい、上原雪姫がよかった!