2歳男児
すべり台から転落。150cmくらい。
左側頭部を強く打った。


予診表にそうかいてある。今日も救急外来はごった返している。
頭を打ってくる子供は本当に多い。
親がちょっと目をはなした隙にとか、親が目を離したちょっとの間になどが典型的なエピソードだ。
今日は天気がよかったしなあ。きっと外で友達と遊んでいたんだろう、なんて思って診察室へご案内。

「すぐないたんだけど、なんか元気がなくて。吐いたりはしてないんです。でもちょっと心配で・・・。」

すぐ泣いたとか、吐いてないとか、聞きたいことを先に言ってくれる。
医者が聞きたいことをよく知ってるお母さんだ。診察中もやっぱりぐったりしている。
「ぽえっ」とかわいい声を出して診察室で一度嘔吐してしまった。確かに元気がない。
小児の場合、1歳6ヶ月を超えると大泉門が閉じて、頭部外傷にたいして非常に強くなる。
だからちょっとやそっとでは頭蓋内出血を引き起こさない。
お母さんも心配してるし、一応CTでも取ってみようか・・・。何もないだろうけど。
CTでは、急性硬膜外血腫を示唆する所見なし。
脳震盪による軽度意識障害でしょう。注意書きを渡して、帰宅とした。


日本中の救急外来には必ず「頭を打ったときの注意」というものがおいてある。
今までもう100人以上の親御さんに渡してきたと思う。
その後緊急手術になったことは一度もない。
今日の子はちょっと元気がなかったけど、おそらく明日の朝には元気になっているだろう。
常に細心の注意を払って診察しているけど、経験を重ねてくると少しずつ自信もついてくる。
でもこういうときに落とし穴って待っているんだろうと思う。
慢心せずに、仕事をすることが大切だ。