**福祉的就労(ふくしてきしゅうろう)**とは、障害や難病、高齢などの理由により、一般的な企業で雇用契約を結んで働くことが困難な方に対し、福祉的なサポートを受けながら働く機会や場を提供する仕組みのことです。


​「ただ働く」だけでなく、リハビリテーションや社会参加、生活リズムの安定、将来的な一般就労(企業への就職)に向けたトレーニングとしての側面も持っています。


​障害者総合支援法に基づく「就労支援サービス」のなかで、主に以下の2つの体系が中心となっています。


​福祉的就労の2つの柱(A型とB型)


​福祉的就労の代表的な窓口が**「就労継続支援(しゅうろうけいぞくしえん)」です。これにはA型B型**の2種類があり、働き方や契約の有無が大きく異なります。


​1. 就労継続支援A型(雇用型)


​一般企業での就職はまだ難しいものの、一定のサポートがあれば雇用契約に基づいて働くことができる人が対象です。



  • 特徴: 事業所と雇用契約を結びます。

  • 給与: 労働基準法が適用されるため、都道府県の最低賃金以上が保障されます(「賃金」と呼ばれます)。

  • 主な仕事内容: パソコンによるデータ入力、カフェやレストランでの接客、商品の梱包・発送作業、清掃など。

  • ステップ: ここでしっかり経験を積み、最終的に一般企業へのステップアップ(一般就労)を目指すケースも多いです。


​2. 就労継続支援B型(非雇用型)


​年齢や体力の面、あるいは障害の特性などで、雇用契約を結んで毎日一定時間働くことが難しい人が対象です。



  • 特徴: 事業所と雇用契約を結びません。自分のペースや体調に合わせて短時間から働くことができます。

  • 給与: 成果や作業時間に応じて**「工賃(こうちん)」**という形で支給されます。雇用契約がないため最低賃金の適用はなく、全国平均の月額工賃は1万数千円〜2万円前後となっています。

  • 主な仕事内容: 手芸品やパン・菓子の製造、農作業の補助、部品の組み立て、軽作業など。

  • ステップ: 働くことへの自信をつけたり、生活のリズムを整えたりすることが主な目的となります。



​💡 「就労移行支援」とは?


福祉的就労とは異なり、**「一般企業への就職を目指してトレーニングをする場所(最長2年間)」**です。原則として作業に対する対価(給与や工賃)は発生しません。





​福祉的就労のメリット



  1. 特性に合わせた配慮が受けられる
    福祉の専門スタッフ(サービス管理責任者や職業指導員など)が配置されているため、体調や障害の特性に合わせた業務の調整、メンタル面のケアを受けながら働けます。

  2. 社会とのつながりを持てる
    家に引きこもりがちになるのを防ぎ、仕事を通じて仲間や地域社会との関わりを持つことができます。

  3. 生活リズムの安定
    決まった時間に通う場所ができることで、睡眠や食事などの生活習慣が整いやすくなります。


​利用するための手続き


​福祉的就労(就労継続支援)を利用するには、自治体から交付される**「障害福祉サービス受給者証」**が必要です。



  1. 相談・見学: 地域の「基幹相談支援センター」や「障害者就業・生活支援センター」、ハローワークなどに相談し、実際の事業所を見学・体験します。

  2. 申請: お住まいの市区町村の障害福祉課などの窓口で、サービスの利用申請を行います。

  3. 計画案の作成: 相談支援専門員に「サービス等利用計画案」を作成してもらいます。

  4. 支給決定: 自治体から受給者証が発行されれば、事業所と契約して利用開始となります。


​福祉的就労は、一人ひとりの「働きたい」という気持ちや体調に寄り添い、無理のない一歩を踏み出すための大切なセーフティネットであり、スタートラインとなっています。



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