夏鈴side
雨の中仕事帰り傘をさしながら帰っていると見慣れた姿が目に入り近づくとそれは村山だった
雨で濡れていた村山を家に連れてきてお風呂などに入れた
夏鈴「お、おかえり」
美羽「……」
夏鈴「コーヒーとココアどっち飲みたい?紅茶もあるけど」
美羽「ココア」
小さく呟いたその言葉を逃さず私はココアを出した
夏鈴「暑いから気をつけて飲んでよ」
美羽「何があったのか聞かないの?」
夏鈴「聞きたいけどさっき言ってた事聞いた後に聞こうとは思わないよ」
美羽「お父さんが父親ズラしてきてムカついたから反抗したら出て行けって言われてた後少し殴られた
殴られてる時に思ったんだよ」
夏鈴「何を?」
美羽「やっぱり大人は嫌いだって」
夏鈴「私のことも信じられなくなったんでしょ?」
美羽「多分だけどね」
夏鈴「また信頼は取り戻していくからいいけど殴られたんだよね、手当てするから待ってね」
私は話を聞いた後救急セットを持って行くと衝撃の物を目の当たりにした
夏鈴「まじで……」
美羽「ん?」
夏鈴「こんなに怪我してるの!!」
美羽「いつもの事だからもう慣れた、手当てしてくれないなら着るよ、寒いし」
夏鈴「するから待って」
急いで手当しようとするが少し痛そうな顔をする時があるので優しくした
夏鈴「こんなに殴られてるなら早く言ってよ!」
美羽「だから言っても助けてくれないから言わないでいるの、話聞けよバカ」
夏鈴「心配なんだって」
美羽「なんでそこまで私の事心配するんだよ」
夏鈴「私も村山と同じでは無いけどそんな感じの事を経験してたんだよ
美羽「え……」
夏鈴「その時助けてくれたのが担任の先生だったんだよ」
美羽「そうなんだ」
夏鈴「私も村山と一緒で最初はなんで私に構うんだとか喧嘩やタバコ辞めろ〜とか言われてたんだよね
それがウザくて反抗してたりしてた時期もあるけどその人はずっと私のそばにいて助けてくれたりした
だから村山にもちゃんと前向きに生きて欲しい」
私の過去を初めて話してみると村山の瞳には涙が溜まっていた
夏鈴「あれ〜泣いてるぞ〜笑」
美羽「泣いてないし!!」
夏鈴「ごめんごめん笑とりあえず村山が今いる世界から抜け出させるから待ってろ
その間は私の家に住んでいいから」
美羽「ありがとう」
夏鈴「明日も学校あるんだから早く寝な、ベット使っていいから」
美羽「おやすみ」
夏鈴「おやすみ〜」
村山を寝かせた後ある人物に電話を掛け私も眠りについた











美羽side
朝目を覚ますといつもと違った世界が見えていた
美羽「いつもと違う」
私はカバンの中に入っていたタバコを1本手に持ってベランダらしきところに行き吸い始めようとした時……
美羽「……ん!!」
夏鈴「今日からタバコじゃなくて飴舐めなさい」 
甘い雨が口の中に入ってきてタバコは藤吉の元に行ってしまった
美羽「別にいいじゃん」
夏鈴「困るから言ってんの、朝ご飯食べて今日は行きたい所あるから行くよ」
美羽「へいへい」
夏鈴「飴舐めながら待ってて」
美羽「ほーい」
飴を舐めながら待っていると美味しそうな匂いがしてきてキッチンの方に行くと美味しそうな料理沢山並んでいた
美羽「うまそう……」
夏鈴「いっぱい作ったから沢山食べな」
私は机に並べてある料理を食べようとした瞬間……
夏鈴「こら」
美羽「ん?」
夏鈴「いただきますは?」
美羽「いただきます」
料理を口に運んだ瞬間お母さんの料理を思い出した
美羽「めっちゃ美味しい」
夏鈴「良かった、今日村山の生活に必要な物買いに行くよ」
美羽「いいの?」
夏鈴「勿論、もうこの家の人間だし、私だけだけど家族だと思ってるから」
美羽「家族……」
私はその響きが嫌いだったがこの人が言ってるのは何だか許せたし、凄く嬉しかった
美羽「家族なりたい」
夏鈴「え……」
美羽「私を家族にしてよ、夏鈴さん」