夏鈴side
私はある場所に村山を連れて行く事にした
美羽「どこ行くんだよ?」
夏鈴「いいから背中に乗れ」
ヘルメットを渡して村山は大人しく乗った
美羽「ここは?」
夏鈴「とりあえず中に入るぞ」
中に入るとひかる達がいた
ひかる「お、来たね〜」
保乃「怪我してるじゃん!!!救急セット持ってくるね」
夏鈴「そこに座りな」
美青「美羽!!」
美羽「美羽に瞳月……」
瞳月「怪我してるじゃん笑」
美羽「ちょっとね笑」
玲「お話聞かせてもらおうかな」
美羽「誰だよお前」
夏鈴「村山威嚇しないで大丈夫だから」
玲に警戒心が高いのか村山は冷たい視線で睨んだ
玲「櫻警察署の大園玲、村山美羽ちゃんのことは良く知ってるよ
美羽「私はこんなやつに話すとは一言も言ってない」
美青「美羽……」
夏鈴「村山、玲は何度も村山を助けようとしてくれてたんだよ」
美羽「でも、今は助けて貰えてないって事は見捨てられたと一緒じゃん」
村山は話す気にならなく、私は困っていると玲が……
美羽「何してんだよ」
玲「本当に申し訳ありませんでした、私に最後のチャンスをください
美羽ちゃんの事救えなかったら何でもするから」
美羽「……」
夏鈴「玲は必ず救ってくれるから話そうよ、ここには的野や山下もいるから何かあったら2人に言えば」
美羽「分かった、救えなかった時はあんたの事なんか知らない」
村山は話す気になったのか玲に話し始めた
玲「話してくれてありがとう」
美羽「別にあんたの為じゃない」
夏鈴「そういう事言わない」
ひかる「何で大人が嫌いなの?」
美羽「大人は口だけで行動に移さない、私や美羽達も知ってる
口だけでは何度だって言えるんだよ、助けるとか、私は君の味方とか
結局はそれは一瞬で消えてしまい助けて欲しい時には手を伸ばしてもそれは誰も掴んでくれず私は3年間ずっと虐待を受けた
父さんだって私の事守るって言ってあの後1度も守ってくれてない
だから大人は嫌いだ、綺麗事並べた人間に信頼なんて必要無い」
天「昔の夏鈴に本当にそっくりだよね笑」
夏鈴「そっくり笑」
美羽「そっくりになりたくないわ」
夏鈴「私は絶対に村山を見捨てない、ここにいる大人は美羽の味方だ
この生活から抜け出して新しい世界に1歩踏み出そう」
美羽「約束できる?」
夏鈴「もちろん、約束」
村山と小指を絡めた
この日から村山は毎日学校に登校するようになった














美羽side
あの日の帰りに担任から電話番号渡された
夏鈴「何かあったら連絡して、飛んでくるから」
美羽「分かった」
父「最近学校に行くようになったけど何かあったんじゃないだろうな?」
美羽「お前には関係無いだろ」
父「関係あるに決まってんだろ、お前の親だぞ」
私はその言葉が凄く嫌で、ムカついた
美羽「今更父親ズラしてんじゃねぇよ」
父「何だと!!」
美羽「あんたはお母さんがいなくなってから変わった、前の父さんはこんな事しない
私の親はお母さんだけだ、あんたなんか親じゃない!!!」
父「あ〜わかったよ
出て行け、二度と顔見せんな
美羽「上等だよ」
私は必要な物を纏めて家を出た
ポツポツ
美羽「あめ……」
弱くなろうとしない雨が私の体を打ち付けた
歩き続けて行き、公園のベンチに座り考え事をしていると……
美羽「え……」
夏鈴「風邪引くぞ」
美羽「別にいい」
夏鈴「良くないから言ってんの」
美羽「藤吉だっけ?」
夏鈴「うん」
美羽「私やっぱり……」
夏鈴「ん?」
美羽「大人は嫌いだ、あんたの事も信じられなくなった」
夏鈴「え……」
その言葉を零すと藤吉は優しく包み込んでくれた
夏鈴「私の所においで、あの家なんかにもう帰らなくていいよ」
美羽「は?」
夏鈴「辛かったな」
私は止まらない涙を止めようとするが止まらない、何故なら藤吉がお母さんに似ていたからだ……