第7回なんちゃって写真コンテスト 総評&結果発表
Blogにお越しの皆様、大変長らくお待たせ致しました。
自称「なんちゃって写真家」のおがわとーるです。
何はさておき、まずはご参加・ご投票下さいました皆様に、心より御礼申し上げます。
心優しき、そして遊び心満載の皆様が、呼び掛けにお応え下さったことにより、おかげ様で過去最多の投票数となり、大変に盛り上がりました。
それではいつものように、「なんちゃって写真家」の私による「この作品のここが素晴らしい!」のコーナーから参りましょう。
携帯電話・スマートフォンのカメラには、機種による特徴があり、それを見事に活かした作品と言えるでしょう。しかし、それだけではありません。列車の位置、電線・電柱の入れ方もまた、壮大な立体感を演出しています。更に、空を大きく撮っているところにも、作者の夢多き心が映し出されています。
爽やかに潔い作品です。こういった物を見つけられる作者は、遊び心を忘れない、好奇心の旺盛な方であろうと推察されます。鮮やかな色合いと「双子」というタイトルが、微笑ましくみずみずしい気持ちにさせてくれますね。力みのない自然な作品です。
「598円の値下後価格が800円」というミステリアスな現象を見逃さなかった、いわば観察眼が生み出した作品です。雑誌の投稿写真などにもありそうな1枚ですね。面白い事への嗅覚と同時に、値段をシビアにチェックする倹約家の素養も感じさせます。
海外のポストカードにありそうな、スタイリッシュな作品であると同時に、作品の主軸には微笑ましい暖かさが存在しています。右手前にピンクの文字とハートが写っているということは、モノクロで撮影したのではなく、何かを通して撮影したのでしょうか。ピントの具合も構図の取り方も、極めて秀逸なバランスです。
作品番号5 「灯」
炎が中央にあるのに対し、キャンドルの断面が斜めになっていることが、作品の構図に面白みを与えています。バックとのコントラストも効果的です。写真ながらにして、炎を見つめていると、心がじんわりと癒されるのは、キャンドルを見つめる作者の心情がしっかりと写真に表現された証でしょう。
守り神を並べるところから、創作は始まっています。そう考えると、何と微笑ましいことでございましょうか。それでいて、実に興味深いのは、作者の色彩感覚です。真ん中奥のドレッドヘアーの神様が、色のアクセントになるのみならず、その存在により、3体がお互いを生かし合う構図を生み出しています。
作品番号7 「クマにへ~んしん♪」
まずはこのモデルさんの「撮される才能」に賞賛を贈りたいと思います。作品の特徴としては、縦長の画像に絶妙のポジションで被写体を置いていることにより、こちらに向かってハイハイしているように感じられ、思わず写真に向かって手を差し伸べたくなります。
作品番号8 「何丁目かの夕日。」
この作品には、お手軽芸術「なんちゃって写真」のお手本とも言える要素が含まれています。これだけ寄りで撮影しているという事は、すなわち、ほんのわずかの空間でも優れた絵を切り取る事は可能であると証明しているのです。光・ぼかし具合・タイトルと、どれをとってもまさしく芸術です。
風景との出会いもまた、作品の一部と言えます。コンテストの開催地「小樽」に寄り添ったロケーションでありながら、知名度の高い「小樽運河」に意外性のあるアプローチで挑んだ秀作と言えるでしょう。何と歴史のある贅沢な鏡でございましょうか。
作品番号10 「ファイトー!いっぱぁつ!!」
着眼点の勝利と言える1枚です。うつ伏せに横たわっている2人を、作者の類まれなる発想力が導き出したストーリーにより、見事に作品として成立させています。つまり、芸術を成立させる要件は、発想の引き出しにより無限に広がって行く、と教えてくれるような1枚とも言えるでしょう。
2人が「5」の文字を描き出した、「桜箱 vol.5」に寄り添った1枚です。被写体と撮影者が一体となり、主催者の5周年をお祝いしたい、という気持ちが全面に表れています。「ある1人を祝福したい」という心で生み出された作品ほど温かく崇高な芸術はない、と言っても過言ではないでしょう。
創作活動には、一点に集中する瞬間が存在します。そのゾーンに入った時は、現実世界から隔離された中で、精神を自由に解放することが出来ます。肉まんで顔を作っていた時の作者が、まさにそれだったと言えるでしょう。「肉まんが先か?発想が先か?」と、つい想像を巡らせてしまいます。
皆様はこの写真がどのように撮られたか、お気づきでしょうか?前を走る車両がタンクローリー車で、ピカピカの背面に景色が映し出されているのです。これぞまさしく、撮影意欲がピークに達した瞬間の1枚であり、貴重な瞬間を共有して下さった事に、感謝の気持ちすら覚えます。
青空に映える新緑がバンザイをしているのみならず、その両手から、まるで絵に描いたような雲が天に向かって伸びています。大自然との共同制作が、奇跡の1枚をもたらしています。おそらく作者は、この景色に出逢える心の準備が整った、選ばれし者だったのでしょう。
黄色の絨毯に愛くるしい表情が、写真を通じて心に飛び込んで来ます。笑顔や立ち方もさることながら、その小さな手に1枚の葉っぱを大事そうに持っている姿が、何とも言えず微笑ましい一コマです。今ここにしかない一瞬を、優しく収めた1枚と言えるでしょう。
作品番号16 「とっておきの写真が撮れない…ハガキにしたい写真にしよう♪」
ご参加下さった皆様に、お礼の気持ちを込めた参加賞として、ご応募頂いた作品でポストカードを作らせて頂いたのですが、この作品は参加賞への先回りを、タイトルで堂々と表明しています。何と潔い参加の仕方でしょうか!
ということで、皆様の作品は既にポストカードになっており、「桜箱 vol.5」の会場でお渡し出来なかった方々のポストカードは、バラエティーショップ舞桜さんにお渡ししてあります…と、こちらも堂々と表明してみた次第です。(笑)
携帯電話・スマートフォンでの「月」の撮影は、なかなか容易ではありません。この写真が撮られた時間より暗くなると、光が強く取り込まれ、綺麗な円にはなりにくいものです。絶妙の時間帯・構図で撮影され、それを最大限に活かすタイトル付けも効いています。
以上、「この作品のここが素晴らしい!」のコーナーでした。
それでは、結果発表に参ります。
今回は、毎年「ハロウィン写真コンテスト」を開催されている「アンジーミルク」さんが、4位のメダルを作って下さりました。(アンジーミルクさん、ありがとうございました!)
第4位はこちらの作品です。
【第4位】
続いて第3位の発表…と行くところなのですが、何と同じ得票数で2位がお2人となりました。
【第2位】
▲2位の賞品は、トロフィーと「おめでとう!」の文字が浮かび上がる「パラパラ漫画」。
入賞者のお2人に、仲良くどちらを選ぶか決めて頂きました。
さあ、いよいよ「第7回なんちゃって写真コンテスト」、優勝者の発表です!
【第1位】
皆様、表彰状の名前をご覧になりました?
…。
もぉ~しわけございません~!!!
事もあろうに、わたくし、優勝してしまいました…。
そう、「空運河」を撮影したのは、何を隠そう私だったのです。
忘れもしません、「しゃこ祭り」の司会の仕事に向かう朝、あまりにも運河が素敵だったもので、パチリと撮影し、Blogなどにも使っておりませんでしたもので、軽い気持ちで提出したのですが…これが実は、序盤から着実に票を伸ばし、インターネット投票・会場投票共に1位という、もはやこれは堂々と行くしかなかろう、という結果になりまして…。
「桜箱」の当日は、発表後、ステージに崩れ落ちて、軽い土下座状態でしたね。(笑)
そして、即座に皆様の前で発表致しました。
「わたくし、今回をもちまして、『なんちゃって写真コンテスト』から引退させて頂きます!」
それを受けて、司会の金沢さやかさんが、フォーマルなトーンでこう続きました。
金沢「お聞きのように、たった今、おがわとーるさんが引退を表明されました。」
この、あまりにも見事なプロの司会者によるコメントが、僕をとても清々しい気持ちにさせてくれました。
よくスポーツ選手の引退記者会見で見る、
「色々と悩みましたが、引退を決めて、今は気持ちがスッキリしています。」
の気持ちが分かったような気がします。
さやかさんは、「一見くだらない事に、真剣に取り組む」という「なんちゃって写真精神」を、司会の分野で見事に表現して下さりました。
ここまで企画の趣旨をご理解下さり、絶妙のタイミングで絶妙のコメントを出せる司会者は、プロの中にもそうそういないのでは、と結構本気で思います。
ということで、次回があった場合には、「エキシビジョン参加」的な位置付けで、「ちなみに今回、私はこんな写真を撮ってみました。」という形を取ろうかと思っております。
少々長くなりましたが、再度ご参加者の皆様、ご投票下さった皆様に、厚く御礼申し上げます。
以上、「第7回なんちゃって写真コンテスト」の総評及び結果発表(及び引退表明)でした!