不登校の子どもを持つ親にとって、その状況は計り知れない不安や戸惑いをもたらします。
「なぜ学校に行けないのか？」「どこが問題なのか？」と親が問いかけても、子ども自身もその答えを明確に理解できていない場合があります。
その「わからなさ」を受け止めることが、不登校を共に乗り越えるための大切なステップです。
まず、子どもたちが不登校になる理由はさまざまで、学校に行けなくなる要因が複雑に絡み合っています。
友達との人間関係の悩み、先生との摩擦、勉強のプレッシャー、または漠然とした不安感などが挙げられます。
ですが、こうした原因を子ども自身が「自分で説明できる」ことは少ないかもしれません。
むしろ、子どもが「なぜ自分はこう感じるのか？」と困惑していることも珍しくありません。
親としては、「学校は将来のために行くべき場所」「行かないことで子どもの将来に影響が出るのでは」という強い不安があるでしょう。
これは当然、子どもを想う気持ちから来るものです。
しかし、その気持ちが強すぎるあまり、子どもの心の状態や「わからない」という感情を見逃してしまうこともあります。
では、どうすれば子どもの心に寄り添うことができるのでしょうか。
まずは、子どもの「わからない」気持ちをそのまま受け止めてあげることが大切です。
「どうして？」と原因を追及するのではなく、「そうか、今は何が原因かわからないんだね」と、その曖昧な感情に寄り添う声かけを心がけてみましょう。
また、子どもが自分の感情を少しずつ言葉にできるよう、安心感のある環境を整えることも重要です。
さらに、親自身も一人で悩みを抱え込まず、専門家や第三者に相談することを検討してください。
学校のカウンセラーや地域の支援機関は、親子双方の気持ちを整理する手助けをしてくれる貴重な存在です。
親が心に余裕を持てることで、子どもと向き合う際の柔軟性も高まるはずです。
子どもと親が感じること、考えることが違うのは自然なこと。
でも、その違いを理解し、お互いを受け入れようとする努力が大切です。
そして、子どもの「わからない」気持ちを否定せず、共に時間をかけて向き合うことで、不登校の問題を少しずつ乗り越えていけるでしょう。
焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。
