こんにちは!

前回のブログで書評本を読んだことで、
「書いてあること」だけでなく「書かれなかったこと」にも意識を向けてみると思わぬ発見があるのでは・・ということをもんもんと考えているささかわです。


考えてみれば、世の中「言ったこと」や「言われたこと」だけがすべてじゃないですよね。


口に出さないだけでひっそりと応援していたり、
賛成/反対の意志を持っていたりする人たちはたくさんいます。
ほかにも、「・・・」で濁したり、言葉に含みを持たせたり、主語を言わなかったり、
そうしたあえて語らなかった言葉たちを想像させるやり方だってあります。


なんでも口に出さなきゃ伝わらないのか?というと、そうでもない。
人間のコミュニケーションのあり方は、「口に出す」だけじゃなくてさまざまあるものです。


ですが、そうした「口に出さない人」たちのことを忘れてしまうこともあります。
それは「言われたこと」の重みがあまりにもありすぎるとき。
「言われたこと」が世のすべてのように感じてしまい、心が折れてしまうのはそういうときなのではないか、と想像します。


最近起こった、誹謗中傷を受けて若い女性が亡くなられた悲しいニュース。
ただただ胸が痛むばかりですが、「言葉」がどれほどの重みをもつか、ということについていち発信者として考えさせられました。


言葉はどうしたって誤解される可能性をはらんでいます。
だからこそ「言ったこと」がどう届くのか、想像して言葉を選ばなければいけません。
ただ、誹謗中傷は「言葉」というか、「凶器」であり「狂気」です。


言葉をそんな風に使う人には絶対になりたくない。
安易な言葉選びは本当に気をつけようと改めて強く思いました。


そして、日々の暮らしも、本の解釈も
ひとつことにとらわれすぎずに、丁寧に向き合っていきたいと改めて思いました。


さて、こんな感じで
いろいろと考えさせられているここ最近ですが、
これまたわたしにとって非常に勉強になる一冊を読みました。


三宅香帆さんの『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』です。


ブログタイトルに書きましたが、
わたし、このタイトル、すごくもったいない!と思うのです・・


本書は書評記事で120万PVの「バズ」を起こしたライター・三宅香帆さんが、著名人の文章をとことん分析して「バズる」文章とはなんぞや・・!?ということを解き明かした一冊


・・と見せかけて笑、中身はぜんぜん違う一冊でした。


まず感じるのは、三宅さんの幅広い読書量。
古くから読み継がれる名作はもちろん、新作やブログ記事にいたるまで読書のストライクゾーンがめちゃくちゃ広い!
まだ20代なのに、あの本もこの本も読んでるの!?うひゃ〜すごい!とただただ圧倒しました。


そして次に感じるのは、作家さんへの多大なるリスペクト。
この人の文章のどこがすごいのかっていうと、ここがああでこうで・・ね、すごくないですか!?
っていう調子で、本書では素直にひたむきに「作家さんのすごさ」を書き尽くしているのです。


たとえばこんな箇所。


「あの人もこの人も、みんな大人。私と違って、ちゃんと暮らしていそうだ。だからこそ、他人の未熟さを知るとほっとする。心の距離が縮まるような気がする。
でも、その“未熟”には多少の誇張もあるだろう。だから見せ方を間違えれば、「未熟でかわいいと思われたい感じ」が透けて見えて、かえって反感を買ってしまうこともある。実に、“自分の未熟さ”は取り扱い注意なのです。
星野源さんはその点、すごく巧みな人。
舞台の上では「こんばんは~星野源で~す!」なんて明朗闊達きわまりないのに、ひとたび文章の世界に入り込めば「どういうわけか」なんて曖昧で、地味で、自身のない雰囲気で語り出したりして。こういうギャップを出せるのが、国民的スターなんでしょうねえ。」(未解決疑問モデル 星野源の未熟力 問いを共有する)


「文章を短く、いらないところは削ろう。キャッチーな言葉を使って、わかりやすく書こう。
……というのが文章術の常識だと、私自身は信じてきました。
でもその一方で、自分の「感覚」とか「感触」まで、短く削ぎ落すことはないのかもしれない……と思っています。(中略)
多少たどたどしくても、ぴったりくる、平凡な形容詞を並べる。たとえを、一つではなく、ふたつみっつと重ねる。「うまく言えないけど」って何度も説明する。
正直、そういう素朴な表現をするのって、ちょっと勇気のいることです。なんとなく稚拙に見えそうな気がするから。
でもむしろ読み手にとっては、そちらのほうが書き手の知的さを感じられたりするもの。感じたことを手放さないように、伝わる言葉を見つけていけたらいいですよね。」(ゆっくり語りモデル 開高健の実直力 思いを、不器用に、全部並べる。)


始終こんな調子で作家さんの文章への賛辞を送り続けていて(やりすぎるとお世辞っぽくなっちゃうのに、その塩梅も素晴らしい)、読めば読むほど三宅さんの作家さんリスペクトが伝わり、とても微笑ましい気持ちになりました。


で、そんな感じのまま読み終わったのですが、
ふとタイトルを見て、わたしはどうも違和感を覚えてしまったのです。


たしかに巷でバズっている人たちの文章を分析すればなにが「バズ」のもとだったのかヒントはつかめると思うのですが、
こういう方々ってバズろうとしてこういう文章を書いたわけではないと思うのです。


「バズ」のもとはもっと奥の、彼らの文章から滲み出ている「人柄」なのではないか?
だから、わたしたちが一朝一夕で真似できるようなものではないのでは?
そんな風に思えてしまったのです。


なんて元も子もない感想・・!笑

 


根拠はありませんが、本書を読んで「うぉ〜バズりてぇ〜!!」って思って下心丸出しで文章を書いたとしても、きっとその下心が透けて見えちゃうのでは・・と思うのです。



多くの人に受け入れられる言葉遣いをする人たちは、ある程度の下心はあるにせよ、そこを上手に隠しているから「バズ」につながっているのではないかなぁと思うわけです。

まぁ知らんけど。笑



この人の文章、めちゃくちゃでもおもしろいなぁ〜って思う人って、どこにおもしろさを感じているかと言えば結局「人柄」なんじゃないかな・・といまの自分は結論付けています。



だから、つまり、

本書はタイトルがなんかもったいない気がします!!



わたしは本書を三宅さんの分析力の細かさと洞察力の巧みさがいかんなくあらわれた研究書+作家さんへのリスペクト本だと思っています。



三宅さんの書き手としての姿勢はとても親切(文章がとてもわかりやすくて読みやすい)でひたむきで非常に好感が持てます。



1、2回読んだだけでは言葉にできない「この作家さんの言葉、なんかすごい!」をすべて言語化+法則化(?)した三宅さんの粘り強さがもう・・素晴らしいしすごく好きです。



三宅さんがバズったのもやっぱり「人柄」なのでは・・と改めて思わされるのでした。


 

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