| 女と仕事 「仕事文脈」セレクション (シリーズ3/4) 1,512円 楽天 |
いきなりけしからんことを言うが、最近、なんか働きたくない。
この「働きたくない」には仕事めんどくせー! とかやりたいことがー! とか生きづらさがー! とかいろいろあるのだけれど、ごくシンプルに「なんか週5日労働って体力的にけっこうしんどいんだけど……?」と思うことがある。
こないだ読んだ佐藤航陽さんの『未来に先回る思考法』のなかに興味深い記述があって、テクノロジーの発達でAIに取って代わられる職業は今後ますます増えていくけれど、そのぶんあらゆるコストが安くなるから、結果として人間の生活にかかる支出も減り、週5日も労働する必要がなくなるんじゃないか? というようなもので、わたしはそれに大いにうなずき、強く期待している。
こんな未来が実現するのはまだまだ先で、しかもわたしの場合はあらゆる欲が出て生活コストは全然下がらず結局働かねば……となりそうなのだが、週3くらいのペースで働けたらすっごくいいなー、という思いはこの本を読んでからずっと消えていない。
ちなみに、これから一生働かない、というのは絶対に嫌だ。
会社に行こうが行かまいが、週3だろうが週7だろうが何かしらの形でずっと働き続けていたいと思っている。
やっぱり仕事はわたしを成長させてくれるからだ。仕事という責任を持つことで、わたしは「他者に求められている!!」と自覚することができて、背すじがしゃんとする。
社会人をやって数年しか経っていないが、人は緊張感があるから成長できると実感している。
緊張が強すぎると潰れてしまうけれど、自分の力量よりちょっと届かないくらいのハードルだと「やるしかない!」と思ってやる気に燃えてとんでもない集中力で仕事をこなすことができる。
そういうときにやりきった仕事はやりたくない仕事であってもすごく達成感があって、「できることが増えた」喜びもあって、これは仕事でしか得られないものだなぁ……とつくづく思わされるのである。
今週は自分の身の回りについて考える機会が多くて、上野千鶴子『女ぎらい』を読んだ後にずっと積ん読にしていた「女と仕事」を読む気になってやっと読んだ。
(ずっと読んでいないからといって処分しなくて良かった。読書というのはタイミングがあるものだと実感した)
本書は「すべてのゆかいな仕事人にささげるリトルマガジン」というコンセプトの「仕事文脈」という雑誌の「女と仕事」特集をピックアップし書籍化したものだ。
2016年に逝去されたライターの雨宮まみさんをはじめ、デザイナー、会社員、大学生、18歳(!)というあらゆる肩書きの女性が仕事について思いをめぐらせた一冊になっている。
最初に読み始めたとき、頭が上野千鶴子さん脳(?)になっていて、「女性の働き方改革を提言する系なのかな…?」と思っていたが、社会に提言!! というよりもっと日常的な感じで、仕事をめぐる女性たちの素直な気持ちが綴られたエッセイ集だった。
会社員の中島とう子さんの寄稿文が身に染みた。
「わたしに欠けていたのは、会話能力や社交性ではなく、勇気だったのだと、今なら分かる。
話してみたところで理解してもらえないのではないか、理解できないのではないか。そういう怖さを乗り越えた先に、ごく稀にだが人と心が通じ合う瞬間が待っていることもあるということを、信じる勇気が持てなかったのだ。
矛盾するようだが、多くの他人と共に働く中でたくさんのすれ違いを経て、わたしは他人と完全に理解し合うことはできない、という事実を受け入れられるようにもなった。
理解し合えないという大前提と、ひょっとしたら、という、か細い期待を胸の片隅に置き、勇気を持って口を開き、真摯に耳を傾ける。理解し合えるかどうか、結果はさして重要ではないのだ。そうしようと試みることが、他人と共に社会で生きる上での、かすかな希望の光を生むのだと、わたしは思う。」(143頁)
わたしはこの文章を読んで、なんて誠実な人なのだろうと思った。そして「勇気」という言葉にハッとさせられた。
仕事で嫌なこともめちゃくちゃあったけれど、自分の仕事にきちんと向き合い、苦しんだ末に結論を出した中島さんの勇気ある言葉は力がみなぎっていた。
人間の生きるスピードに対して、社会の進むスピードはどのくらいなのだろうとふと思う。
ゾウくらいゆっくりしているのか、はたまたプレート並の微々たるものなのか、実は意外と速いのか、社会人を数年やっているだけの未熟者にはまだ計りかねるところがある。
本書を通じて現代社会の女性たちの様々な働き方から戸惑いや怒りや楽しさを垣間見ることができて、あー、好きなように生きていいんだったな、と当たり前のことを思い、ずいぶん気持ちが楽になった。
なるべくハッピーに生きられるには、どんな働き方をしようかなぁ? と明るく考えながら本書を読み終わった。
週3希望はまだまだ消えないけれど!!笑
