仕事でミスをした。
 
単純なケアレスミスだけれど週明けまで待たないと対応できず、なす術なく帰宅。
 
ミスした気持ちを持ち帰る、後味の悪い週末になってしまった…。
 
あぁ反省。
気が緩んでたのかなぁ。
次は気をつけないと。
格好悪いなぁ…。
 
 
 
 
 
こんな時、
 
旅に出たい
 
と猛烈に思う。
 
仕事のミスは仕事でしか取り返せないし、反省はするけれどくよくよして休日を過ごすのはもったいない。
 
こんな時に良い気分転換は「旅」だ。
特急電車でちょこっと遠出じゃなく、飛行機に乗って別世界に行きたい。
そんな時にタイミング良くこの本を読んだ。
タイミングが良すぎて震える。本の神様っているのかな。
 
本書はANAの機内誌「翼の王国」で連載された旅にまつわる短編とエッセイ集。
 
吉田修一作品にはいろんな顔がある。「怒り」「悪人」のような腹にどしんとくるスリル満載のミステリーや、「路(ルウ)」「横道世之介」のような人情味溢れるエンタメ小説、「パーク・ライフ」のような純文学(芥川賞受賞作)まで書いていて、筆致の多才さに目を見張る。
 
『あの空の下で』はゆったりした雰囲気の一冊だ。飛行機内という緊張した空間だから、気持ちがほぐれるものが読みたいだろう。そんな心づかいを感じた。
 
短編・エッセイともに国内外の旅先の風景や食べ物、出会った人達、昔の旅の思い出が描かれる。
旅と書いたが、そもそも旅をしていない物語もいくつかある。けれどみな何らかの「移動」をしている。身体を動かして移動することで、心象風景ががらりと変わることがあるということを改めて感じた。
 
物語の登場人物たちは、移動した先で何かを体験することで、結婚を決意したり一人旅をする勇気を出したり親離れを感じて寂しくなったり失恋に打ちのめされたり恋人の意外な一面を発見したりする。
そんな心境の変化は、いつでも誰にでも起こりうる。旅先だから、その心境の変化がより一層身に染みて感じるのだ。
 
移動することがプラスの場合にもマイナスの場合にも働くことを描いているところが清濁合わせ持つ吉田修一作品らしいと思った。
 
「路(ルウ)」が大好きなわたしは、著者の旅エッセイでは東南アジアに魅力をより感じた。
台湾にもう一度行って温泉に入りたい。タイの水上マーケットに行きたい。ベトナム料理が食べたい。東南アジアの人達の温かさに触れたい。
 
次の連休にはどこに行こう…とあてどなく妄想していると、失敗の傷もいつの間にか薄らいでいるのだった。
 
旅先のお供にはもちろん、気分転換にとてもぴったりな一冊だった。
 
次の旅には必ずこのシリーズを持っていこうと決めた。
 
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写真だけでも旅に出た気分を…。