那羅華
両親は二人とも他界。
死因は、アンドロイドに酷使された事による過労死。
そしてその子供、那羅華もまた、アンドロイドの奴隷。

しかし那羅華はまだ3に満たない年齢。
労働力になるには、まだ若かった。

アンドロイドは、学校に通わせる事にした。

そこは、アンドロイドの通う学校。
人間だった那羅華は、異質だと迫害され続けた。
そして5年。
RIZEと出会う。


RIZE
新型アンドロイドとして開発された。
開発者は人間とアンドロイド。
待望の新型として開発された彼女は、感情制御に欠けていた。
ボイスの音質も旧型より酷く、とても新型とは思えなかった。

移動能力、戦闘能力は高く、1000体の旧型を1分で破壊。
その際、彼女には傷一つ付いていなかった。

感情制御の部分は自立型AIの成長を待つ、と判断され、学校に入学。
入学直後、戦闘能力全てを制限され、旧型を1体破壊出来ないほどになった。
感情や音声も後押しし、彼女もまた、迫害を受けた。
そこで、那羅華と出会う。


RIZEは感情制御に欠けていたが、全く無いという訳ではなかった。
彼女は那羅華にシンパシーを感じ、話してみたいと強く思うようになった。

那羅華も、RIZEの事が気にかかっていた。
自分を迫害するアンドロイドに迫害を受けるアンドロイド。
アンドロイドがアンドロイドを攻撃している所など考えもしなかった。

そこに興味が湧いたと同時に、嫌悪感も抱いた。

そしてついに、那羅華はRIZEとコンタクトをとった。

互いに迫害されていた二人は気があった。

那羅華は馴れ馴れしくも気が利く性格。
RIZEは大人しいがきちんと自分の主張はする性格。

二人は親友になった。


那羅華は奴隷。
休日など無かった。

が、出来た。

RIZEが、那羅華の雇い主を破壊した。
制御されていたはずの戦闘能力が、だんだんと開花した感情能力に負けたのだ。
感情が高ぶったRIZEは止められなかった。

那羅華の日常に興味を持ったRIZEに、自分は奴隷だと言う事を伝えた。
RIZEは親友を縛る物がある事を良しと思わなかった。

那羅華は破壊された主人を見た。
出てくるのは罵倒の言葉だけ。
感謝や謝罪など一つも出なかった。
いや、一つだけ出てきた。

学校に行かせてくれてありがとう。


縛る物が無くなった二人はもう誰にも止められない。
「・・・ぅ」
頭がくらくらする。
「ここは・・・」
まだはっきりしない頭で周りを見渡す。
あたり一面全てが黒。
上下左右も分からなくなるほど、ただただ一面、黒。
天井?から光が差し込んでいるものの、周りの黒に吸収されていて少ししか照らされていない。

その光が差し込む場所に、一台、機械があった。
その機械に、俺は見覚えがあった。

「あれは・・・ 「希望の光」?」
「ということは・・・ここは・・・」
4次元・・・。

俺は、4次元にこれたのか・・・。

来たのはいいものの、これからどうすれば・・・。

とりあえず照らされている「希望の光」に向かって歩いた。
特に障害も無くたどり着くことが出来た。


>ユーザー名を入力してください
>?


モニターの表示の意味は分かる。
が、肝心の入力装置が見当たらない。
研究所にはキーボードがあったんだが・・・。

「どうしたの?」
「入力装置がないんだ・・・ って誰!?」
いきなり後ろから話しかけられた。
女の子だった。

「わたしはメイ」
「メイ・・・」
聞いた事の無い名前。
そもそもここに来たのは俺が初めてのはず・・・。
「どうしたの?」
機械的な声、生気が無い。
そしてよく見るとこの子、服を着ていない。
「・・・」
この子、右腕が黒く変色している。
そして、左眼が緋色、右眼が黒のオッドアイ。
「どうしたの?」
メイ?が俯いている俺の顔を覗き込んできた。
「あ、ああ」
「この「希望の光」に入力する方法が分からないんだ」
質問しておいてなんだが、・・・信用できるのか?
いや、ここにはメイ?しか居ない。
信じるほか無い・・・か。

「わかった」
「なんて入力したいの?」
「・・・シオン」
「シオン だね?」

>ユーザー名を入力してください
>シオン

>パスワードを入力してください
>?

「パスワード・・・」
「パスワードはわたしが知ってるよ?」
「本当か!? でも」
「パスワードは」

>パスワードを入力してください
>*******

勝手に入力した。
パスワードはなんだったんだ・・・。

>ユーザー名 シオン
>パスワード *******
>決定ならばEnterキーを入力してください

「これでいい?」
「あ、ああ」

>キボウノヒカリ開始します...

瞬間、真っ暗だったここが光に包まれた。
周りが真っ白になり、視界の全てを奪った。

そして、気を失った。
「今日からよろしく」
「・・・」
小さめのドアを空けた先は、外に繋がっていた。
今日が何月何日の何時何分かも分からなかったが、太陽が時間だけは教えてくれた。
頭から照らしつける太陽、ちょうど正午のあたりか。
恐らく久しぶりに見た日の光が眩しい。

ドアを開けた先にアンドロイド。
そして目の前に立っている背が高く線の細い男。
アンドロイドは一切表情を動かさない。
線の細い男のほうは眼鏡が光を反射していて目がよく見えない。
が、顔なんてどうでもいい。
「―で」
こいつは俺を引き取った。
人間を、女を引き取る男なんてたかだか知れている。

・・・。
何で俺はこんなにも一方的に決め付けているんだ?
まだそうなると決まった訳でも・・・。

いや。
絶対にこいつは俺を・・・。

「じゃあ私の研究所に来てくれないか?」
「・・・」
「行け」
「・・・」
アンドロイドに背中を押された。
「じゃあ行こうか」
「・・・」
俺は、こいつに。
「信用は無い・・・、当たり前か」
「・・・」

「少しずつ慣れてくれ、私と」
「・・・」
俺は恐らくこいつに。

「私の家族に」

奴隷にされるんだ。