先週あたりから、自称「少年革命家」ゆたぼんという
10歳のYouTuberが不登校であることと、その父親の発言が物議を醸しています。



まず予備知識として、この少年と父親の記事をザッと目を通していただくといいかもしれません。

“宿題拒否で不登校”の10歳YouTuberが物議
95%が動画に低評価

5月7日(火)12時58分 BIGLOBEニュース編集部


小学校に通わずYouTuberとして活動している10歳の少年が注目を集めている。Twitterには不登校の理由を批判する声があがり、投稿した動画は多くの低評価が付けられている。


沖縄県で暮らす「少年革命家ゆたぼん」と名乗る10歳の少年は、学校に通わずYouTuberとして活動。「不登校は不幸じゃない!」などのメッセージを通し、同じ不登校の子や苦しむ子に元気を与えたいとしている。また、世界に行きたい子や不登校の子を1000人を集め、子どもだけが乗れるピースボートを作ることが夢だという。直近では、「ゴールデンウィーク終わっても学校行くな」という動画を配信。「無理やり行かされて苦しんで死んじゃう子が多くなる」として、一番大切なのは「自分の命、自分の人生、自分の心」だと熱く語っている。


ゆたぼんの活動を報じた琉球新報によると、不登校になったのは小学3年生の時。「宿題を拒否したところ、放課後や休み時間にさせられ不満を抱いた。担任の言うことを聞く同級生もロボットに見え『俺までロボットになってしまう』」と考え決意したと伝えている。


この不登校に至った理由にネット上では批判や心配する声が多数。直近の動画は5月7日11時現在、高評価592件に対し低評価が1.1万件と、約95%が否定的に見ている。また、YouTubeを運営するGoogleの規約によると、日本でアカウントを所有できる最低年齢は13歳となっていることから規約違反を指摘する声も上がっている。

「せっかく教育を受けれる権利を持ってるのに使わないなんてもったいない」

「いじめを受けている訳でもなく宿題が嫌なだけで不登校とか人生舐めてんのかな」

「自由とわがままは違うサボりと不登校は違う」

「この子は本当に自分で強い意志で学校に行かないと決めているのか正直心配」

「今20歳になってわかったことを言うと 小学校 中学校は行ったほうがいいよ」

「何故宿題が出るのか考えて欲しい」

「人生は冒険かもしれんが君の年齢だとまだ冒険へ出るための準備期間だ。準備を怠ったせいで死ぬぞ…」

「この子に罪はないんだよなこんなふうに育てた親がなぁ…」

「経験者だから言えるんだが、逃げ癖が付くと後で大変」


一方では、ゆたぼんの活動に「宿題をきっかけに小さな疑問や違和感を抱くのは凄いと思う」「この年でここまで語れるのはすごいと思うよ」と理解を示す声も寄せられている。



引用元:https://news.biglobe.ne.jp/trend/0507/blnews_190507_0334333078.html


続いて、父親のブログです。
アメブロですね。

子どもを信じて何が悪いのか?
2019-05-07 18:56:28


〜 前略 〜



僕も「学校」という場所だけが何かを学ぶ場所だとは思っていなくて、学校以外でも学べる事がたくさんあると思っています。

 
寧ろゆたぼんの場合は学校の中より、学校の外で多くの事を学んでいるなぁ、と感じているくらいです。


もちろん、中には学校というシステムがぴったりと合う子もいるでしょう。

 
学校が好きで、学校が楽しくて行っている子もいると思うので、そういう子に対してはそれでいいと思うのです。

 

しかしそういう子ばかりではありません。

 

やっぱり学校というシステムに合わない子もいるし、近年の不登校率の上昇や自殺する子どもの増加を考えると「学校に合わない子ども」が増えているのは間違いないでしょう。


そういった現代を生きる子どもたちの現状に目を向けず、旧態依然とした学校教育に何の疑問も持たないで、ただ「学校に行け!」というだけでは何も変わりません。


だから、僕は行きたい子は学校に行けばいいと思うし、行きたくない子は「行かないという選択」をしていいと思います。

 
 

もちろんゆたぼんも自分で選択しています。

 


ゆたぼんの動画やこれまで出演してきたラジオの放送を聴いた事がある人はご存知だと思いますが、ゆたぼんは「俺は不登校という言葉が嫌い」と言っています。


「本当は自由登校って言葉が好きやけど、わかりやすいから不登校って言っている」と。


「自由登校」というのは自分で行くか、行かないかを選択する行為です。


だからゆたぼんは自分が行きたい時にだけ学校に行き、行きたくない時は学校に行きません。

 

ゴールデンウィーク前もそうでした。

 

家に学校の先生が来てくれて「遠足あるけど来る?」と聞かれ、「行く!」と行って遠足に行きました。


それを「わがままだ」と言う人もいますが、これが本当にわがままでしょうか?


自分の気持ちに従って生きる事の何がいけないのでしょう。


そしてそう言ってくる方に聞きたいのですが、あなたにゆたぼんが何か迷惑をかけたのでしょうか?


「行くか、行かないかハッキリ決めろ!」と言う人もいますが、なぜハッキリ決めなければならないのか?


白か黒か、0か100かの極論でしか物事を考えられない人がいますが、白でも黒でもないグレーという色も存在するし、0と100の間にも多くの数が存在します。


物事を両極端にしか見られない人は、白か黒かのモノクロの世界に拘ってしまいますが、世の中というのは「ゼロか100か」とか「良いか悪いか」で割り切れるものではありませんよね?



なぜ、従来の常識だけに固執するのか?

 

時代が変われば人の考え方や価値観も変わり、常識も大きく変わってきます。


日本でも昔は男尊女卑の時代があったり、女性が大学に行くと言うと「どうして女なのに大学に行くの?」なんて聞くおかしな時代もあったわけです。


今そんな事を聞くとかなり非常識な発言と言われるものでも、かつては常識だったわけで、今の常識だって本当は非常識かもしれませんよね?


戦争中は国の為に死ぬ事を強要され、思想の自由も人格の自由も認められませんでした。


「お国の為」と行って敵の命を奪う事が正義でしたが、今ではそれは「狂気」です。


時代は変わったはずなのに今もなお、日本の学校教育では個人の自由が認められていないのは変だと思いませんか?


〜 後略 〜


引用元:https://ameblo.jp/yukiya-happy/entry-12459664975.html


……いかがでしょうか?
まぁいろんな意見があって当然だとは思いますけどね。
彼らを養護する意見もいろいろ聞きましたが、少しズレてると感じざる意見が多いと感じました。

あとこのゆたぼんという子供は父親の受け売りだったり
原稿を書いてもらってるように感じる」という声もあるようですが、
まぁ10歳なんだし、全部でないにしても父親がそういう方向へ「導いてた」としても
それは当然でしょうし、それを問題視するつもりもありません。

だから子供の発言は父親の考えとし触れずに、父親の発言のみについてぼくの意見を書きます。


まず、父親(子供も)がドヤ顔で言ってる

「自分の気持ちに従って生きる事の何がいけない」

という発言。
これが一番「アホなんちゃう(゚Д゚)!?」とぼくが思うところです。


学校に通いたくて通ってる子供はそんなに多くありませんよ。
でも「みんなそうするもの」だから通ってるんです。
そしてそれはなにより日本国民の義務なんです。


上の記事には「教育を受けれる権利」なんて書かれてますが、権利ではなく義務なんです。
だからこそ金持ちも貧乏も関係なく、教育を受けるためにほとんどみんなが学校に通うんです。


義務=絶対にしなくてはいけないと法律で決められていることを
「行きたくないという自分の気持ちに従って生きるのは悪いことじゃない」
と言ってるわけですよね? この父親は。

別の言葉に言い換えるなら、
義務を果たさなくてもいい、ということ。


……であるなら、です。

同様に国民の義務である「納税」を、
「税金なんて納めたくないから納めない!」
みんなが脱税しまくったらどうなるんですかね?

税金を納めたくて納めてる人なんてほぼ皆無でしょうからねー。
自分の気持ちに従って生きることが許されるのなら、
日本国民のほとんど全員が税金を納めることをやめるでしょう。
その時点で日本国の財政は破綻します。


もちろんそんなこと許されるはずがないわけで。
だから「義務」なんですよ。
いやでも、国民全員が等しくその責任を負うことになっているわけです。


……まぁこれは極論ですので「極端な例を持ち出すなんて卑怯だ!」なんて言われるかもしれませんね。

でも、極論かもしれませんが極論でもないんですよね。
ただ「教育」と「納税」という違いなだけで、日本人として日本国に住む以上
その義務を放棄してることは同じだから。
その結果がすぐに目に見えてわかるために例に挙げさせていただきました。


脱税は、自分だけがやってもほとんど影響はありませんからね。
でも全員がやるとそういうことになるわけです。


……これ、学校教育も同じですよ?


このゆたぼん親子のこういう「理念」を真に受けて、この学校の児童全員、
……いや、それこそ日本全国の児童全員が登校することを拒否したらどうなりますか?

10歳の少年の一人や二人が不登校になったところで
大勢に影響はないからいろんなことが滞りなく済んでますが、
同じことをみんながやれば影響は甚大で問題が噴出するはずです。

このゆたぼんとやらが義務も果たさずに好き勝手できるのも、
大多数のみんなが自分の気持ちに従わず、我慢しながらも
教育を受けるという義務を果たしているからこそなんですよ?


そのことがこの父親はまったくわかってないと思います。


……まぁホリエモンが言うように、この現代において
「学校なんて刑務所に通ってるようなもの」と思う子供もいるかもしれませんが、
義務だからしかたないんですよ。



時代が変わって気に入らないからそれを守らなくていい?

いやいや、そんなことをみんながやれば国は滅ぶんですよ。
上に書いたように一人二人ならなんの問題もありませんが、
だからって全員がやれば成り立たなくなるんだからダメなんです。
このゆたぼんやホリエモンは、その義務を果たさなくていいと許可された
特別な存在なんですかね?



法律や制度に問題があるのであれば、まずはそれを変える努力をするのがなんです。
それも、義務を果たした上でなければ説得力がありません。

だれもが嫌な思いをしながら義務を果たしているのに、
そこから逃げて外野から文句を言ってるだけの人間を信用しますか?

(納得いかなくても)一緒になって義務を果たしながら
この現状を変えようと頑張る人間
なら
信用するし応援しますけどね、ぼくなら。



……あと、少しだけもうひとつ。

「あなたにゆたぼんが何か迷惑をかけたのでしょうか?」
という発言についてですが、直接的に迷惑を被ったわけではないんですよ。

直接迷惑を被ってはいないけど、
あきらかにルールを守っていない(義務を果たしていない)ことを非難して
社会的制裁を受けてもらわないとダメだとも思います。

みんながみんな自分の気持ちに従って生きるということは、
みんな我慢をしなくなるということです。
そして気遣いや思いやりの気持ちなんてなくなるということです。

みんながみんな我慢をしなくなったらどうなりますか?
思いやりのない人たちばかりになったらどうなりますか?

そういう社会にならないためにも学校というものは存在価値があるわけです。


だからそういう最低限のルールを身につけさせ秩序を保つためにも、
ルールを守れない人が非難されるのは当たり前の話です。
「おまえに迷惑かけたか!?」とか居直れるような話ではありません。

まぁあえて言うなら、5年10年というスパンで考えれば
回り回って迷惑をかけられることになるので
「迷惑をかけられることになるから言わせてもらう」という気持ちですけどね。



……というわけで、つくづく「ガキだな」と思うわけです、この父親。
もっともらしいことをドヤ顔で語ってますが、けっきょくただのワガママなんですよ。
それを正当化するために、さも「正論めいた言葉」を並べてるだけにしか思えません。

しかも、この不登校の引き金になったのが
「宿題が嫌だったから」
ってのが、もうね……。


みなさんはどう感じられましたか?


ちなみに最後に少しだけ補足すると、学校は勉強以外にも
基本的な社会のルールや協調性を学ぶ側面もあって
むしろそっちのほうが大きいとすら思うので、その点でもやっぱり
人格形成に大きな影響のある幼少期こそ絶対に学校に通うべきだと思いますけどね。

なので、人格形成がだいたいできて、さらに義務教育でもない高校からなら
ここまでに書いたようなことは当てはまらないとぼくは考えます。
この父親の主張は高校生以降にしか適用されないということですね。

ま、あくまでもぼくの意見なので、異論や反論などを思う方はたくさんいらっしゃると思いますが……。



……あと最後におことわりしておきますと、義務教育期間中であってもいじめなど
「通えない状態」(追い詰められて命を絶つ恐れがあるとか、心身が傷ついてしまうなど)
になった場合はこの限りではないと思います。
状況が変わるまで登校を控えたり、転校したりという対応を第一にすべきですね。

「宿題が嫌だから」とはまるで次元の違う話です。



以上、長々とお付き合いありがとうございましたm(_ _ )m