日曜日のツーリング時にエンジントラブルが起きたパブリカスーパーの続報が入りました。

 

 

 

 

一旦はオウルガレージ預かりで引き込みましたが、結局地元へ戻る事になり夜再び運ばれていったそうです。

 

 

 

本日タイミングギアカバーを外した状態の画像を頂きました。

 

 

 

あらまぁ、間違いなくタイミングギア割れですがかなり酷いですね・・・

左上のベークライト製タイミングギアの谷山の先端から、一気に衝撃が貫いて反対側へほぼ一直線にクラックが入っています。高速道路走行中ですのでクランクシャフトが分速5000回転なら単純にタイミングギアは1/2の2500回転とはいえ、一瞬でロックして楔を打ち込まれたかの如く、回転方向の力の逃げ場がなくなって一気にギアが割れた様です。

 

 

 

タイミングギアの山の先端を見る限りは、まだ頂点の平らな部分が残っているのでギアの過剰な摩耗でバックラッシが増えた感じではなさそうです。

クラックが入った部分の向かって右側横3つの歯先がえぐられていますが、クラックの入った基点となった谷山でクランク側ギアとの噛み合いがずれて山が無くなった様です。

つまり割れる瞬間まで何の兆候もなくエンジンは稼働していたと推察されます。

 

 

 

こんな反対側までクラックの入ったタイミングギア見た事ないです。

 

 

 

 

タイミングギアの割れ自体の交換は大した作業ではありませんが、ギアが割れた事で動弁系がクラッシュした方の修理の方が大変です。プッシュロッドが曲がった位なら楽ですが、バルブがピストンを衝突していればバルブが曲がる可能性もありますしピストンに傷がつくだけでなくピストンピンやコンロッドに異常な力が加わっている可能性も出てくるし、バルブガイドも衝撃は加わっているし気になる部分が多数出てきます。

 

でもこれ正直運もあるかと思います。

厳密にいえば常に回転しているタイミングギアもバルブスプリングの張力による反力が掛かる部分とそうでない部分があるので、全周の歯全てが均一に摩耗というか当たりが出ていないので部分的にギア隙間に差が出来てしまいます。

その隙間が基準内であっても過大な部分とそうでない部分の差があると微妙なずれが常に回転する度に発生するので、それが長期に渡っていれば破損に繋がる要素になるのは十分に考えられます。

 

大してオイル管理されていない様な2Uエンジンでも割れずにいる個体もあります。ただそうしたエンジンは過去にエンジンを開けられていないケースが殆どで、過去に何かしら開けられたエンジンはタイミングギアに負荷の掛かる様な組み付けをされている可能性があります。でもそれは確定的には言えませんけれど。

 

このエンジンは修理するかは分かりません。ヘッドやシリンダを外して動弁系の状態も確認してみたいですね。

他のエンジンと載せ替えするかもです。