本日はクランクケース下の蓋を外してオイルパン下に落ちているであろう、オイルリングの残骸を処理しました。

蓋にストレーナが付いているのですが、早速もう一方のオイルリングが出てきました。オイルリングは粘りがあるのでグネグネに曲がっているだけで一本物で回収出来ましたが、エキスパンダリングは殆どバラバラの状態で一部繋がっている状態でストレーナを始めとして、オイルパン底に沈殿しておりました。

 

U型・2U型エンジンは通常のエンジンの様な分離型のオイルパンでなく、クランクケース一体鋳造の為、ドレン部分の蓋を外してそこから地道にオイルパン内の破片をウエスで拭きながら回収しました。

抜いたオイルに若干のアルミ片が確認出来ましたが、エキスパンダの破片は全てオイルパン内へ落ちた様です。クランクピンやコンロッドメタルも現状特に不具合も無いので再使用する事にしました。

 

 

 

分離したピストン。

他の700でも同様のブローがあったそうで、何の因果かその片割れのピストンが今回我が家へ来た中古の右側ピストンになります。

 

 

 

この700ピストンのオイルリング溝の中にある戻り穴がかなりの長穴で、その両端はクラック防止の為に穴加工されております。

一応ボス付近の内側はEの字形状のリブで補強が入っていますが、これでは強度が後の800ピストンよりも明らかに劣っております。

 

 

 

700のピストンはスカート部に膨張時の変形を吸収する切れ目のある古典的なタイプになります。

入手したピストンはトヨグライドに入っていたピストンと品番が違いました。

元々のは下5桁の10020しか鋳込まれておりませんが、こちらは品番が全て鋳込まれております。-10010という事は少し古いタイプでしょうか?

計測してみましたが特に違いは分かりませんでした。

 

 

 

上の写真でも見えますがオイルリング溝の戻り穴がやたらと長いです。

止まり部分はRを設けておりますが、今回のブローはここから破断が始まっております。構造上微妙ですねぇ・・・。

 

 

 

まぁこれに再びWPC加工して使ってみます。

 

シリンダヘッドからバルブも取り外しました。前回少しでも費用を抑えようと思ってバルブは800エンジンの中古品でバルブガイドはそのまま使いました。

しかしアイドリング時間が長いとオイルが下がってしまっていたので、ケチらずにガイドをやり直すべきだったと後悔しておりました。

でも別にオイル消費が多いだけで補充で凌げるので(といっても実用上困る程の消費でもない)、再びヘッド外すの燃焼式ヒーターを付けたので面倒だからともういいやと放っておいたのですが、今回のブローでヘッドを再び外さなければならなくなったのでこれはバルブガイドを作り直す運命だったと勝手に解釈する事にしました(笑)

 

ヘッドとピストンの洗浄を終えて加工に備えておきました。

次へ続く。