象が絵を描く、メーサー・エレファント・キャンプ①
今回の旅行はチェンマイの友人に観光計画と一連の予約を全て依頼して、気軽に観光を楽しむことにした。彼らの観光計画は現地旅行会社に車の手配から観光地の諸費用を含めて一括で旅行をサポートしてもらい、彼ら自身も余り手を掛けないで済むようになっていた。と云う訳でチェンマイ空港には旅行会社が手配した車が待機していた。そしてチェンマイの友人夫妻と彼らの知り合いの夫婦も車に乗って待っていてくれた。我々が到着すると早速、最初の目的地メーサー・エレファントキャンプに向かった。メーサー・エレファントキャンプは当初は象の保護を目的として1976年に設立された。当時、タイ政府はチェンマイの観光開発に熱心に取り組んでいたので象乗りや象のショーを導入してキャンプは大成功を収めた。空港から3~40分程でキャンプに到着。旅行会社に支払ったメーサー・エレファントキャンプの諸費用は一人2,500バーツで入場料を含めてキャンプ内の各種ショーやツアーの参加費も含まれている。なお、私とチェンマイの友人は一部ツアーに参加しないので2,000バーツだった。因みに入場料は外国人は300バーツ(1,500円)、タイ人は150バーツ(750円)だ。タイの観光施設では民営・公営を問わず外国人はタイ人より高めの料金設定になっている。これをボッタクリと思うのか、観光収入に頼っている発展途上国では致し方ない、或いはオーバーツーリズムで観光地に迷惑をかけているのだから観光税のようなものだと考えるのか。私は後者である。日本でも京都など一部の観光地ではオーバーツーリズムが問題視されていることを考えるとある程度の二重価格や観光税の導入もやむを得ないのではないかと思う。元々物価の安い国なので気にするほどの金額でもなく、折角微笑みの国に来たのだから多少の違和感があってもニッコリ微笑んで観光を楽しみたいのだ。メーサー・エレファンキャンプは自然豊かなジャングルの中にあり、象たちが自然に近い状態で生活できる環境にある。また、キャンプ内には複数の体験エリアがあって、象のトレッキングを行うエリアやショーを行うエリア、飼育や水浴びエリアなど広大な広さがある。入場すると直ぐに象のショーを行うエリアがあったので暫く待っていると象のショーが始まった。タイでは象のショーは珍しくないのだが、ここのショーは他とは少し違っている。テレビでも何度か紹介されたことがあるのでご存じの方もいると思うが、象が絵を描く様子を見ることが出来るのだ。しかも、一匹だけではなく何匹もの象が絵を描くのだ。絵は描き手の象によってそれぞれ異なっていて、絵の出来栄えによって2,000バーツ(9,000円)から10,000バーツ(45,000円)程で売られていた。それぞれの絵には象のサインが入っている。絵の出来栄えだけではなく描き手の象によって絵の価値が異なり、過去には39,000ドル(約560万円)という高値で落札されたこともあるようだ。象のショーは象のお絵描きの他にも象のサッカーなど様々なアトラクションがあって観光客を楽しませてくれた。象のショーが終わると象の背中に乗ってジャングルの中を進むトレッキングツアーに参加することも出来る。象のトレッキングツアーは象の背中に乗ってジャングルの中を進む日本では味わえないアドベンチャー体験が出来る人気のツアーで料金は30分で1,000バーツだった。(我々は旅行会社に支払い済)私は体力的に不安があったので参加しなかった。学生時代からの友人も私に付き合って参加せず、皆がトレッキングツアーに行っている間、昔話に花を咲かせながら帰りを待った。ところで、観光客に人気の高い象のトレッキングツアーだが現在では動物福祉や動物虐待の観点から中止となっているようだ。我々は象のトレッキングツアー中止になる直前に訪れたため、ツアーを体験することが出来たが、倫理的に問題があって中止に至ったようだ。象に重い鉄製の籠を載せて観光客を乗せる象乗りは象の背骨を変形させるほどのダメージが残るらしい。事情を知れば中止も致し方ないだろう。倫理的に問題があることからタイでは象乗り観光は禁止の流れになっているようだ。