いま鴨川に来ている。
昨日は勝浦。「巨木」を巡っていた。
この辺りは、知る人ぞ知る、巨木パワースポットの宝庫なんだそうだ。(僕もほんの2、3日前に知ったところだ)
まずこちら。鴨川は日蓮宗大本山清澄寺の巨スギ。
由緒ある寺院の中だけあって、あたりは、なんとも清浄な空気で満ちている。
敷地の周りをぐるりと囲むスギのなか、1本、ひときわ力強くそそり立っている。
天に向かってまっすぐに伸びる針葉樹には、宗教的な場を整える力があるのだろう。
この姿が、何百年に渡って、ここに集まる人々を見守り、力を与えてきたのだ。
もう一つ。こちらは勝浦にある寂光院のシイノキ。
こちらもお寺の敷地内らしいのだが、周囲は草ぼうぼうの原っぱ。足を踏み入れるとバッタがビョンビョン飛び回る、かなりワイルドな環境の中にある。
宗教的荘厳さというより、自然の生命力そのものを感じる場だ。
樹齢千年を超えるとも言われる。長い時間を超えてきた貫禄が、あちこちに刻まれている。
よく見ると、木のうろに根付いた全く別の植物が、そこで茂っているような箇所もある。
命の営みのおおらかさ、懐の深さが感じられる。
針葉樹と広葉樹。一口に巨木といっても、そこに感じられる空気は、かなり対照的だ。
まっしぐらに天空を突くスギの木。おおらかに命を包み込むシイノキ。
どちらも、生き物のあり方(命のあり方)の一側面である。
両方あって、全体になるのだろう。