SIX HACKの考察などについての記事です。
紹介と感想を書いた前編はこちら

 

 

 

 

考察

 

 

ただ考えた結果、再現VTRの内容は「荒唐無稽な陰謀論に仕立て上げる」等というものではなく、そのままの真実なのではないかと思っています。
 

最後に検証結果として表示された情報の1つ、

 

「"T"のIPアドレスは総合演出の自宅であることが判明」

 

という部分。
 

これが虚偽だった場合、"T"からすれば全く身に覚えのない濡れ衣を公然と着せられている事になり、当然黙ってはいないでしょう。
 

特にIPアドレスなんて一発で証明できる箇所ですから、出る所に出れば総合演出家の佐藤(仮)と無関係だとすぐ確定してしまうはずです。
濡れ衣工作としてはあまりに杜撰すぎます。
 

佐藤(仮)の陰謀論に出てくる「支配層」が警察や検察、裁判所等まで容易に思いのままにでき、Tの申し立てを確実に無効化できるのなら別ですが。
 

 

しかしそうだとしても、第4回の最後に「覚醒者T」というTwitter(X)アカウントが
 

 

「せっかくの真実報道の機会まで歪まされている」
 

「残りの放送で彼らの陰謀を伝え切らないといけない」
 

 

と#SIX HACKタグで投稿している様子が映されているので、それもないと思います。

"T"が佐藤(仮)と無関係ならこんな投稿はなされないはずです。


 

佐藤(仮)とTが同一人物でなくとも仲間関係にあるのだとしたら、佐藤(仮)からTV局内の番組企画に後ろ向きな姿勢(覚醒者Tの投稿日は5/25でSIX HACK第2回の放送日なので、時期的に撮影で業を煮やしたスタッフが辞退したりユースケ・サンタマリアが去った頃以降ではないかと)を聞いていたTがこの投稿に至った可能性はまだありますが、それでもIPアドレスが佐藤(仮)の自宅にはならないです。
 

佐藤(仮)が同居しているのが教師の友人ではなく、あるいは教師の友人の他にTもいたのならIPアドレスの一致も成立しますが。

だとしても

 

「彼(佐藤)自身、いえTの物と見られる15万人のフォロワーを持つTwitterのアカウント~」

 

と、佐藤(仮)の投稿かのように紹介しているのでやはり濡れ衣ですよね。

 

Tと佐藤(仮)が同居している仲間だとしても、「支配層」が持つ力が警察なり検察なり裁判所なりを思うまま動かせるもので、濡れ衣を着せられて動いたTの訴えを潰せるものである事が不可欠のはず。
 

佐藤(仮)の陰謀論の内容的には、「支配層」が行政や司法を意のままに出来るとしても違和感はないのですが、

そもそも本当にそこまでの強大な権力を持っていたら、

 

「IPアドレスが自宅のものだった」

 

なんて迂遠な形での濡れ衣を着せるでしょうか。

 

この濡れ衣をTに着せる意味としては、佐藤(仮)とTに対し連動的に精神状態が異常な者だとの印象操作をする事。

これにより佐藤(仮)がSIX HACKの第1~3回で、Tが今まで発信して来た"真実"を伝えるメッセージの信憑性を同時に失墜させ、世間から相手にされなくする事だと思われます。
 

しかしそこまで「支配層」に力があるなら、自分たちの計画を暴露しようとしている者達への対処としては迂遠すぎないかと思います。

もっと権力を用いて、直接的かつ確実な方法で佐藤(仮)とTへ対処するのでは。

冤罪を着せて逮捕する、医療機関に精神状態に問題があるとの判定を下させる、

方々からあの手この手で佐藤(仮)とTの職や財産などを没収させる、

最終手段としては暗殺(より仲間が過激化しそうなので最終手段)、等々・・・。
 

 

「IPアドレスが一致」というのは、回りくどすぎるし不確実すぎると思います。

なので、検証された通りに佐藤(仮)=Tで、多重人格状態で再現VTRの行動をしたと捉えるのが妥当なのではないかなと。

 

再現VTR内において佐藤(仮)が"過去にチャネリング"しSIX HACKの打ち合わせ中の自分へ「ニゲロ」のメッセージを送ったシーン。

あれは佐藤(仮)の妄想ではないかなと思います。
 

最初に打ち合わせ中の佐藤(仮)が「ニゲロ」に気付いた時は直後に会議室の扉が一瞬だけ開け放たれたのに対し、佐藤(仮)が"過去にチャネリング"した時はビル屋上で「ニゲロ」の文字を光らせてから佐藤(仮)の打ち合わせ中の会議室まで走って移動しているのでもっと長い時間が掛かるはず。
なので最初の佐藤(仮)の打ち合わせ中のように文字を見てからごく短時間で扉が開く事はないと思うのです。
 

あの扉はただ単に会議室へ入ろうとした社員や関係者が扉を開きかけてから中で会議が行われているのに気付き慌てて立ち去っただけではないかなと(もしかしたら扉が開いた事も、それに佐藤(仮)及び打ち合わせ相手の女性が反応した事自体が幻覚かもしれません)。

佐藤(仮)がビル屋上で「ニゲロ」を光らせた直後に"過去にチャネリング"の応用?で物理的に瞬間移動したなら別ですが・・・。

 

 

第3回後半での啓発動画パートを長くする佐藤(仮)案の背を押した「構成作家」から回答がない、というのも、佐藤(仮)=Tであり、全ては佐藤(仮)の妄想である信憑性を上げていると思います。
 

実際はTと佐藤(仮)が赤の他人なのに同一人物だと思わせる目的なら構成作家が片目を抑えて後押ししたあの部分は再現VTRに不要なはずだし、あの部分をわざわざ入れるなら構成作家も「回答がない」等とせずTや佐藤(仮)と一緒に社会的な地位や信頼が失墜するような形に明確に組み込むと思います。

佐藤(仮)の同居人の教師はしっかり扱ってそうしたのですから。

(「支配層」が行政や司法を意のままに出来るなら構成作家からの回答も同居人教師のような内容で適当にでっち上げてしまえばいいですし)

 

あの構成作家が目から血を流し出したのは佐藤(仮)の幻覚か、あるいは構成作家の手元に赤ペン?のような物が置かれていたのが見えるので、赤インクでも仕込んだのでしょうか。

幻覚見放題フィーバー状態な佐藤(仮)なら、片目を抑えるだけで勝手に流血する幻覚を見る事も普通にありえそうです。

 

Tの陰謀論に賛同していた構成作家なら反ワクチン活動の中で佐藤(仮)=Tである事は知っており、普通に言葉だけで後押しして来ていたのかもしれません。

自分がTである事を人格交代的に忘れている佐藤(仮)にはそれが謎の後押しに映り、謎であるからこそ陰謀にまつわるものとして頭で処理され、片目を抑えたり流血する幻覚が喚起されていた、とか。

 

とは言えIPアドレスが云々という「遠回りすぎる」「確実性がなさすぎる」方法を敢えて取ったり、必須ではない構成作家の下りを敢えて入れたりする事で、ここまで書いたような「陰謀としては不自然」という見方へ誘導する事こそが「支配層」のやり方であり目的であり思う壺、と捉える事もできますが(正に陰謀論の世界のような話になって来ますね)。

 

余談ですが各回の肌が真っ白で眼の無い解説員が後からだと「ノーアイズ」の暗喩だったのだろうと分かりますね。

「放送を見たときに台本の時点ではなかった部分が追加されていたり」したというスタッフの証言が第4回冒頭にありますが、

恐らく何の説明もなく「ノーアイズ」という単語をあの解説員が突然使っていたりするのがそれだと思います。

(「こういう意味深なのがあると考察好き連中がSNSで騒ぐんですよ」という佐藤(仮)の発言が聞きたくなかった作り手側の言葉であると同時に(笑)、第1~3回のそうしたおかしな部分への説明になっていますね)



 

不謹慎?、題材や内容の是非について

 

 

ちなみに冒頭で述べた「不謹慎に該当するかもしれないネタ」。

これは陰謀論、陰謀論者を扱い、更にこういう内容である点ですね。
 

それら陰謀論者は現実に一定数いる訳じゃないですか。

実在する思想(?)の枠組みをこういう形(精神異常、放送中止まで駆使してのある意味混乱を前提としたリアリティあるモキュメンタリー)でネタにしていいのか?大丈夫なのか?というのがまず1つ。

法律的、憲法的な是非以外にも、合法・合憲だとしても最悪の場合、コロナ関連の陰謀論者へのヘイトクライム(それこそコロナ禍を巡りアジア人に対して起こった差別や偏見、暴行のような)を誘発する可能性もあるかもしれません(ゴールデンタイムの番組ならいざ知らず深夜番組なら過ぎた心配かもしれませんが)。

ただあくまでこの番組では総合演出家の佐藤(仮)氏の精神状態が異常だった(「検証」が事実という見地で見るならですが)という例示のみで別に思想自体に関しては肯定も批判もしていないと言えそうです(何せ陰謀論が事実だったから放送中止されたのか、佐藤(仮)がおかしかっただけなのかすら考える余地のある造りですし)。

また、批判されたとしたら佐藤(仮)と、同居人の教師という個別事例のみで、陰謀論者の団体などをまとめて批判してはいないとも言えます(教師は学校でヤバすぎる行動に及ぼうとしていましたが、同団体の他の人間は何もしていない。とは言え教師のあの行動はヤバすぎて、あの一例だけで陰謀論者全体への差別や偏見、ヘイトクライムを助長しかねないと言えばそうという気も^^;)

 

続いて「それらが大丈夫だとして、このSIX HACKによって当の陰謀論者が更に活性化する可能性もあるのでは?」というのが2つ目。

こちらに関しては・・・どうなんでしょう。

この番組を見たコロナ・反ワクチン陰謀論者にはどう映ったんでしょうか。

「佐藤(仮)は政府の陰謀工作の犠牲者だ!我々の活動は正しい!!」と過激化している人もいるかも?

だとすると反社会的(?)思想を助長したとも言えるわけですよね。

 

佐藤(仮)の眼球に注射を打った人間達が実在すると捉えたら、「支配層」=公権力への偏見(陰謀論)を深め、公権力側へのヘイトクライムに繋がる可能性も?

 

でもこれらもどう受け取るかは視聴者次第、よって問題ない・・・のか?

とは言え陰謀論者が活性化したら、全くの無責任と言うのは難しい気もしますが(ノンフィクションと混乱させる事が前提のような仕掛けな訳でもありますし)。

 

第4回の最後に「この番組は全てフィクションです」と表示されますが、陰謀への告発が含まれた第1~3回では「この番組の一部はフィクションです」表記であり、TVで放送された1~3回しか見ていない人もいそうですし。

 

 

ただ新型コロナウイルス陰謀論・反ワクチン陰謀論を家族や知人が信じ込み、人間関係に亀裂が入ったという事例が現実にありますし、

該当の陰謀論者がコロナの感染拡大に貢献していないというのも難しいでしょう(何せコロナは風邪、ワクチンどころか消毒やマスクも不要等との主張な訳ですし)。

そうすると人間関係に亀裂どころか恐れられている医療崩壊を助長しているとも言えるわけで、これはもう社会的問題ですよね。
 

更にこれはSIX HACKを見た後で知ったのですが、コロナウイルス陰謀論者・反ワクチン陰謀論者による、同志への有料セミナーなんてものも実在するらしいですね。

お金を取って、支持者を増やし、より思想を強固にする。

例えセミナー主催者が本心からこれら陰謀論を信じているのだとしても社会的悪影響は否めませんし、本人は陰謀論を信じておらず集金のためにセミナー開催して支持者を意図的に利用しているのなら悪質性がとても高いです。

陰謀論者は正義感が強い場合があるとも聞きます。だからこそ巨悪を許さず、真実を広めなくてはと考えるとか。SIX HACKの第4回に登場した同居人の教師なんて正にそんな発言をインタビューで答えていましたね。

教師だから子供たちのために義務と責任を負っている、故に真実を暴露するのだと。

そうした人間を積極的に騙しているというのもあくどいです。

こう書いていて思いましたが何もセミナーでなくともこれら陰謀論を肯定する本の出版にしても同じですね(大抵セミナー代よりは安いでしょうが)。

 

そう考えると陰謀論者へ批判を与えるのは問題なく、正当な気もします。

(まあSIX HACKが陰謀論者への批判を目的としていた表現になっていたかというと、そもそも造りが虚実入り混じってるし、予想外の刺激的題材としての側面が強いという気もしますが^^;)
 

批判たり得ているとしても批判以上に陰謀論者が活性化したら逆効果だよなぁ・・・という話でもあります。

 

あと3つ目、単純にこんな際どいネタを扱うのが不謹慎とも言えますが^^;

 

難しいですね。ここまで書いた事は素人考えなのでどこまで妥当性があるか分かりませんし、杞憂かもしれませんが。
 

是非はともかく、モキュメンタリーとしてはとてもよく出来ているし、内容のために実際に放送を中止してしまうなど凄いですし(同ジャンルに詳しくないので想像ですが)前例がないかあっても少ない造りだと思うので、

そうした点の価値は間違いなく大きいんじゃないかと。


 

ここまでお読み下さり、ありがとうございました。