今日は雨でパソコン内をちょっと振り返って
見ていました。コロナのこんな時期、参考に
なればと以前の記事を再送してみます。
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皆様こんにちは。そろそろ梅雨の季節となりましたね。こんな時は
それを利用して、雨の日、家の中で楽しくお子様と過ごす工夫をして
みてくださいね。
さて今日は295号の続き、「整理機能を発達させる・親編」です。
それでは前回の復習を兼ね、ポイントとなる場所を再度掲載して
みましょう。
「お子様の整理機能を発達させるとはどういうことか」という例
として、教育大付属小学校の昔の入試問題を取り上げました。
>絵にかけないのが残念ですが、以前教育大学の付属小学校の入学問題にこういう問題がでました。いろいろな靴がごちゃまぜに1つずつ描いてある絵があり、「今日はおうちにお客様が来ています。さてお客様は何人でしょう?」という問題です。
>1つというのは靴の片方だけで、2つで1人分ですので、靴の種類や
形で2つで1人分に分けて考えなければなりません。確か8つぐらい靴の絵があり、回答は4人だったと思います。これが「整理」で「分類」であり、「割り算」でもあります。ご理解いただけるでしょうか。
というところです。思い出していただけたでしょうか。
この例のように、「分けて考える、分析できるということが、子供には重要だ」ということです。そして今日はそれの親編です。
それでは親としてどのように接すれば子供の整理機能が発達するか、というと、まずは「お母様(お父様)が子供にとっての1番の先生になること」です。
これがとても重要です。学校でもわかりやすい説明や、具体的なことを話してくれる先生は子供にとって良い先生で、そんな先生につけると子供の成績があがったりその勉強が好きになったりします。
これと一緒で「ご両親が良い先生」である家庭のお子様は、右脳的にも左脳的にも「頭のよい子」になると予想できます。つまりご両親が良い先生=説明が上手、何度もなんどもめんどくさがらずに話してくれる、子供の質問に前向きにかかわってくれるなどがそれです。
特に上のお子様の場合、ご両親は何をするのも初めてです。つまり全て「初めて教える」ことだらけなのです。だから親も疲れ、萎えるのです。今までは「教えてもらう側」だったのが、出産を期に「教える側」に変わるからです。
いかがでしょうか。こんな「教えなければならない行為」や「教える量」がどどっと増えるのが4月、5月の時期なのです。そしてよそのお子様とご自身のお子様の違いを比べ悩んでしまうのもこの時期多いのです。
さてここまではどちらかというと「親の心構え」的なお話でした。そして
ここからはやはり具体的なことで親として、子供の整理機能を発達させるためのポイントをお話しします。
先日私の教室でこんなことがありました。4歳の女の子がこの4月に
ピアノを習うため入門してきました。そして2か月たち、「おうちでは
いかがですか」とお母さまにおたずねすると、こんな質問が返ってきた
のです。
「音符をどうやったら理解できるでしょう。何度言ってもごちゃごちゃの
ようでわからないようなのです」
という質問です。これもやはりお子様が「ど」や「れ」を、分けて理解
できない=整理できないということです。
「これはど?ここがど?」、「どうしてこれが『ど』なの?と聞かれるんで
す」とお母様は悩みをお話しになりました。ここが重要なポイントです。
ここでの問題は「どの位置」が分からないことと、「これがなぜ『ど』と
いうか」という2つの問題が混ざっています。さらにお母様は「何がわか
らないかが本人もわからないのでは」と話されました。
ここではお母様とすれば、やはり「2つの事が混ざっている」 という
ことをお子様に話さなければなりません。また「どうしてこれが『ど』
なの?」という質問が出た時は、「今はそこまで考えなくて良い」と、
考える範囲を限定してあげるべきなのです。これは大きなポイントです。
考える範囲を整理させるためには、ある範囲で限定させる必要があると思います。
もう少しわかりやすく言うと、たとえばひらがなを勉強するとしましょ
う。その時、「今日はあ行だけね」と範囲を限定してあげないと、幼児は
頭が混乱します。
さらにこの時点で「なぜこの字『あ』があというか」まで、幼児によ
っては考え始めてしまうのです。これは考える範囲が広がりすぎです。
大人でも「なぜあが『あ』というか」まで分からない人はたくさんい
ます。そして子供は考える範囲理が広すぎる、いろいろな考えを整理
して順に考えるなどできません。
そこで親は、「今はここまで考えなくて良い」と、どこかで考える範
囲を切ってあげないといけないのです。これもある意味の「整理」で
す。ご理解いただけるでしょうか。またこの場合、「親として質問に
答えなくて良いのか」というような、良心の呵責に陥らなくても良い
と思います。
私も自分の記憶の中に「1+1=2」ということが、小学校1年生のころ
「なぜ1+1=2なのか」と悩んだ記憶が今でも残っています。親はそこ
で「今はそこまで考えなくて良い、これは一つの算数の決まり(算数の
法則)、今はこの決まりを覚えればいいんだ」と言ってくれれば悩まずにすんだと思います。
あという字が「あ」と読むのも決まり、1+1=2というのも決まりなの
です。その基準の中で物事を順序立て、整理しながら考えていくことを
覚えるのです。
つまり「親が整理してものの考え方を教えてあげられるかどうか」が
うまくいくと、非常に合理的にピントの合った考えのできる子どもに
育つのだと思います。
お子様が「わからない」「できない」などを連発した時、親は「考える範囲を限定してあげる」ことが大変重要だと私は思います。