毎日コロナウイルスで嫌になってきますね。
不安も無意識に増大してしまいます。
そこで今日は以前書いたものを編集しなおして、
「不安症」について書いてみました。
とってお話してみましょぅ。
仮に彼の名前はY君とします。Y君はお医者様からは鬱と
診断され、4年ほどお薬を飲み続けてきましたが、なかなか
病状が変わらず、音楽療法を受けにやってこられました。
いろいろなセッション(一緒に楽器をならしたり、歌ったり
等)を行い、Y君の様子を見ながら治療計画を立て、
音楽でストレスの発散と情緒の安定を図って行きました。
音楽療法では治療に当たる言葉を、セッションと言い、
先ほどのY君の治療計画=セッション計画、を立てて
改善を目指しました。
Y君の場合は鬱といっても、私が感じる所では
「不安症」です。
幼い頃からの環境が原因で、常に不安になってしまい、
またいろいろなことを我慢するとそれらが極度のストレス
となり、これらが合わさって心が重く、何もする気が無く
なってしまうのです。
音楽を使ったストレス発散の仕方、心の癒し方を教え、
それと平行して体のリラクゼーションの仕方も教え、
今は性格矯正をイメージ法で行っている最中です。
丁度1年ぐらい前から来られ、月に2回セッションを行
ってきました。3ヶ月ほどで大部よくなり、半年たったころに
は月1回程度になり、1年後にはしんどい時にたまにぽつんと
やってくる程度になりました。
本当はきちんと心の矯正、性格の補正ができるまでは来て
いただきたいのですが、普通の病院と同じく、調子がよくな
ると、なんとなく来られなくなる方が多いのです。
中途半端で来られなくなると、せっかくよくなって
きたものがまた元に戻ったり、また悪くなって来られても、
「また1からやり直し」になってしまいます。
Y君も遠のいていたため、また最近イライラがつのり、
久々で来られると、「最初からやり直し」状態にもどって
いました。
これは5ヶ月ほど間があいた事と、自宅で何もやっていなか
ったからだと思います。心や体にしみ込むまでやらないと
だめなんですね。音楽療法は改善効果もありますが、ある種
訓練でもあるのです。性格や心はそんな簡単に変えられません。
私のやり方では音楽は心のお薬で、私と一緒にセッションし、
その後自宅では音楽を使って、心の療養を行う方法をお教えし、
ご自宅でなるべく毎日やっていただきます。主に発散方法と
リラックス方法です。
お医者様で言えば診察後、お薬をもらうようなものです。
しかしせっかくお医者様に行って診察を受け、その後お薬を
もらっても、その患者さんがお薬を飲まなければよくなりま
せん。
音楽療法もこれと同じで、自宅での自主療養ができなければ
快方に向かわなかったり、よくなったものがもとにもどって
しまったりします。
何もできないくらい悪い場合は、お医者様のお薬に頼り、
まずは心を明るくしてもらい、その後症状を見ながら
いろいろと音楽を取り入れていきます。最終的にはお薬を
飲まなくてすむのが1番良いですから。
今日は私のやり方ですが、音楽療法の実際をご紹介しました。
音楽療法士には専門的な分野があり、高齢者、障碍児の音楽
療法士は結構おられますが、精神分野の音楽療法士は少ない
というのが現状です。せっかく音楽療法のところに行かれて
も、専門分野が違うと意味がない場合があります。
また今日ご紹介したY君の場合も、企業秘密的な部分と、
音楽は鳴り物で文字にすることが難しい部分もあり、表面的
にしか書けないところもあります。
また実際に音楽をを聴いたり音を鳴らしたりする事で、脳へ
の日常受けない良い刺激を与えられる事と、脳の成長不足の
部分への発育促進効果を与える事ができます。また自律神経
にも非常に良い効果を上げることができます。
西洋医学のお薬のように即効性はありませんが、漢方薬のよ
うな効果があり、3ヶ月、半年と続けることで効果がじわじわ
出てきます。
ただ大事な事は患者さんが家でお薬にあたる、「音楽の自主
療養をきちんと続けてくださるかどうか」で、効果の違いは
大きく分かれてきます。基本である自分自身をきちんと知ら
なければ、どのように改善すべきかが見えてこず、その自分
自身を知らないためにむやみに悩んだり、迷宮の悩みの谷に
落ち込むような方が多いです。
ご自身をよく知った上で、音楽療法のその方にあったより
良い方法を身に着けると、いつでも自分で自宅で音楽療法
を実践することができます。
心療内科や精神科に行きたくても、予約をすると2週間後、
1か月後という事はよくあります。しかし実際は「今何とか
してほしい」場合が多いのではないでしょうか。
そんな時その人にあった音楽療法を知っていたり、その方法
を身に着けていると、先ほどの「今してほしいとき」に、自
分で自分に音楽療法を実践することは可能だと思います。
まだまだこれからの分野ですが、少しでも音楽療法が広まり、
自分自身で皆さんが必要な時に改善のために利用できればと
思います。