なぜ情緒は人間に大切なのでしょうか?
言い換えると、なぜ感性は人間に大切なのでしょうか。

今日以前お送りしたものを編集してお送りします。

 

 

さて情緒(感性)は目に見えたり、触ったりできません。
だから同じ人間でも、
「どのくらいその情緒が発達しているか」

はわかりません。

 

体なら見ただけですぐ背が高いとか低いとか、太って
いるとかやせているとかがわかりますね。でも情緒
(感性)はなかなかわかりません。

 

 

そして情緒(感性)ほど人間の生活に影響を与える
ものはないのです。現代人にうつ病が多くなってきた
のも、この情緒の不安定になる要素が世の中に多い
からでしょう。

 

さらに幼児期はその情緒のとても発達する時期で、
情緒が発達することで脳が発達すると私は考えてい
ます。これは間違いないと思います。分かりやすく
例をあげてみましょう。

 

 

例えば学校で先生が

「ここは大事なところですよ~」と言ったとしても、

「ふーん」で終わるお子さんと

「大事なんだな」で終わるお子さんと

「これはノートに書いて忘れないようにしよう」と

思うお子さんとでは、勉強面で将来大きな差が

ついてきます。

 

つまり「感じるかどうか」「心にひびくかどうか」です。

そしてこの「感じる」を育てるのが情緒(感性)です。

 

頭で理解するのと、本当に心に響くのとは違うの

です。頭でわかっても、心で本当に響かなければ、

行動には出ません。響くような情緒(感性)が育って

いなければ、結果的には無反応になってしまいます。

 

成績が下がる、塾に行っても成績が伸びないという

場合、大抵は俗に言う「頭が悪い」と言うのではなく、

本人が本当に重要だと思っていない、本気でやって

いない場合がほとんどです。つまり頭ではわかって

いても心に響いていないのです。

 

だからそんなお母さんには「塾に行かせるより、心

(情緒(感性))を育てなさい」と私はよくお話します。

これは集中力や根気も同じです。

 

またいじめられたり、情緒が不安定なお子様の

場合は、やはり心が安定するためにはどうすれば

よいかというお話をします。

 

同じ年に生まれても、親の話しかけの量、親の情緒

(感性)の発達ぐあいなどによって、こどもの情緒(感性)

の発達ぐあいは随分違います。親が感じなければ、

親の表情や話し言葉に出ないので、子供は感じません。

 

最後に今の例として「育ちそびれ」についてお話して

おきましょう。LD(学習障害)という障害があります。

近年良く研究され、解ってきた障害です。自閉症や

アスペルガー、多動性などの障害の名前をお聞きに

なったことがあると思いますが、そういう障害の中の

1つです。

 

そのLDの中にもいろいろなものがありますが、その

1つに「察するとことができない」があります。

 

人の心を察する、未来を計画するなどがそれです。

未来まで行かなくても、明日の予定を考えるなども

同じです。

 

 

この「察する」ができないLDの親に育った子供は、

必ずではありませんが、その子供に障害がなくても

やはり「察する」ができない子供になってしまいます。

これが「育ちそびれ」です。つまり親ができないので、

子供もできなくなってしまうのです。

 

 

そして計画したり、将来を考えたりすることができない

わけですから、学校へ行けば成績などには大変影響

してきます。テストの前でも勉強の計画が立てられま

せんし、将来を予知することができないため、悪い点を

取って初めて「どうしよう」となるのです。

 

 

今あげたのは親の影響としての極端な例ですが、そう

いう意味では親として自分の感性を磨く必要もあります

し、子供の情緒(感性)を育てるためには何度も何度も

話し、根気よく育てる必要があります。

 

 

子供は生まれてきたとき「真っ白」です。そしていろいろな

心の絵の具をそれぞれ持って生まれてきています。泣き虫

の子、すぐ怒る子、きれいなものが好きな子など、赤の

種類が多かったり、水色がなかったりと、「その絵の具を使っ

てどのように絵を描くか」が、ご両親が絵を描く腕の見せ所と

なります。

 

 

子供の情緒(感性)を育てる、磨く=親の情緒(感性)に

つながっているのです。今日のテーマ

「情緒はなぜ大切なのか」、これは親自身の情緒が子供の

基本的となる情緒を創り、その情緒をもとに子供の情緒は

発達し、人生を羽ばたいていくから大切なのです。当たり

前のことですが、本当に大切なことです。