以前お送りしたものの今日は再送です。

 

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「親力」これほど重要なものはありません。
これが今日の課題です。


さてあなたはどこの、なんという高校を出たで

しょうか?


そしてその高校を選んだ理由はなんでしょうか?

 

1、成績にその高校が一番見合っていたから。
2、家に近かったから。
3、友達が行くから。


この選択基準、だれが決めるのでしょうか。
また正しいでしょうか。

 

もちろん「高校に行く私」が決めるのですが、
その前に、その選択幅を決めた、つまり上の
1から3までの3つまで(例ですが)絞った幅は、
だれが決めたか、が問題です。

 

親ほどこの幅を決めているものはありません。
そしてそれを親が「無意識に」決めている場合が
あります。


以前教えていたピアノの生徒さんに、こんな
生徒さんがいました。


その生徒さんはピアノが好きで、よく練習して
きました。しいて言えば「ものわかりが遅い」
または「入るのが遅い」生徒さんでしたが、
素直な良い子でした。そしてその子は一人っ子
でした。


ピアノに来出して2年目くらいでしょうか。
お母さんがある日


「これ以上難しくしないでください」
「本は2冊でいいです」
「週末は練習させません」


といったようなことを、立て続けに言って
来られました。

 

うまくなると楽譜が難しくなるのは当たり前で、
本も3冊くらいまでは普通だと思います。
ハノン、教則本、副読本といった具合です。

 

 

「なぜですか?」と聞いた私に、
「子供がかわいそうだから」とお母さんは
おっしゃいました。

「かわいそう??」
ピアノに来て楽譜が進むと「かわいそう?」
好きでピアノを習いに来たのでは。。

 

 

お父さんがとてもお子さんをかわいがっておられて、
土日は練習したらかわいそうだから、練習はダメと
いう事に、このお宅ではなっていたようです。


この「かわいそう」の基準は正しいのでしょうか。

ここが問題です。いろいろな考えがあり、いろいろな
家庭があると思います。

しかし大事な事は、
「それが正しいと言い切れるのか」を、親が
疑問に思わない点です。

またそれでは同じレベルの曲ばかりやることに
なりますし、何より本人の意向に背きます。

その生徒さんはちょうどそのころ、少しスランプ
におちいっているのは事実でした。だから私も
曲をアニメの曲にしたり、宿題を減らしたりし
ていました。

 

しかししばらくして本人は、弾きたい曲を
「これが弾きたい」と希望したり、学校で
お友達から聞いてきた曲を、宿題にしてほ
しいと言ってきました。

「土日も練習したいけど、お父さんがダメと
言うの」と私にもらしていました。


それなのに、「なぜかわいそうか」が疑問です。

 

一般的な高校進学を例に戻すと、まずは
成績から担任の先生と進学先をある程度
決めます。そして受験校をある程度しぼり
ます。

家でも両親と成績、お金、距離を総合して
どこの学校がいいかを決めていきます。


その時親は自分は偏った選択をしていないか、
また受験する子供も正しい判断ができているか、
を考えるべきだと思います。


以前住んでいた地方でも、学校で非常に成績が
良く、その地域1番の高校に行けるのに、一番
近い下の方の高校に行くお子さんがおられました。


なぜ1番良いところに行かないのか、私は不思議
でしたが、理由は「近いから」と「早く帰って家
(自営業)を手伝ってほしいから」という親の判断
でした。さらに「大学に行かなくても良いから」も
理由でした。


私は「もったいない」と非常に思いました。
もしそのお子さんが、本当は大学に行きたかったら、
また途中で大学に行きたいとなったら、良い高校
に行っていたに越したことはありません。なぜ1番
近いところが良いと言い切れるのでしょう。


私の意見としては、子供とよく相談し、選択肢は
親が幅広く決めてやり、その中から子供は「ここ」
とか「これにする」を決めてもらうと良いのでは
ないかと思います。


その幅を創ってあげられる親、そしてその判断が
できる力量が「親力」だと思います。


「子供を尊重しているから」
「子供に決めさせます」

と言って、親のアドバイスがほとんどない場合、
これは裏返せば、「親として判断ができません」と
いう事にもつながります。全くの手放しで子供は
正しい判断ができるでしょうか。

 

 

そして最初のピアノの生徒さんではありませんが、
親が自分の判断に疑問を持たず、子供の意向を
聴かずに決めつけることは、もっとも親力に欠け
ている行為だと思います。

皆様は今日のメルマガをご覧になり、どうお考えに
なったでしょか。


先ほども書きましたが、子供にできない判断と
選択の幅を考え、道筋を導いてあげられる力が
「親力」だと、私は思います。

 

そしてこの親力がない親に育つと、その子供は
自分の賢さや才能に気づいたり、それらを伸ば
すことなく終わってしまう場合が多々あると
思います。