皆様こんにちは。少し秋らしく朝晩は過ごしやすくなりましたね。
さて今日は「食育について」です。これは非常に大切なテーマです。
単に「食べる」ということもですが、子供の脳にとても影響を与えます。
これは栄養学的な意味もありますが、感性、情緒という意味で今日は
お話しします。
以前から大阪の保育園、幼稚園、育児支援センターなどを回って、
講演やストレス、不安解消、情緒安定などのコンサートを行ってきま
した。
そのたびにアンケートをとっているのですが、そのご依頼をいただく
施設に共通点があることが分かってきました。全てではありませんが、
そのご依頼からすると、都心部ほどストレスを感じておられる場合が
多いのではという事です。
そしてその子供たちに「秋の食べ物は?」と聞くと、今の3歳から
5歳のお子様は答えの反応が鈍かったのです。また言い換えると1つか2つは答えが出るのですが、「その数が少ない」と感じたのです。
つまり「食べ物で季節を感じていない=香り、色、肌ざわり、味を感じ
ていない=脳への刺激が少なく発達が遅れるのでは?」ということです。
発達が遅れるというと言い過ぎかもしれませんが、たとえば田舎にいると食べ物は食べる以外に「目で見るもの」でもあるのです。
「柿がなってきたな」
「田んぼの稲が大分黄色になってきたからもうすぐ稲刈りだね」
「トマトやキュウリの苗が枯れてきたね」
などなど、まだまだありますがこれらが日常何気なく当たり前に
入ってきます。これは言い換えると「秋を無意識に感じることが
できる」ということです。
そして「目で見ていたものを食べる」、ところがこの過程(目で
見ていたものを食べる)を知らずに、スーパーで並んでいたもの
だけを食べ、香りも採りたてほどなく、おまけに匂いも嗅いでい
ない、となると昔や田舎では自然に入ってきて当たり前の脳への
刺激が、あまり入ってこないということになります。
そしてその季節感、自然を感じる量が少ないとストレスがたまり、
イライラしたり怒りっぽくなるのです。食べ物から季節を感じ、
具体的にお子様たちにその行為を促しましょう。
例えばスーパーでも、ブドウやマツタケの香りを買い物途中に嗅いで
見る、肌ざわり、色について話してみる、そしてそれらを買った場合は
家でその食感、味をよく味わってみる、ということをお子様と一緒に
やってみて下さい。当たり前の事ですが、それらをやっていない事が
現代は多いのです。
周りに田んぼや畑がたくさんある方でも、今は季節感が薄れています
ので、ぜひやってみて下さい。そして1番身近で手ごろに感じる事の
出来る食べ物で、季節を十分味わってみて下さい。
さらに「食べる」ということにはもう1つ大事な事があります。
「食べる」とは1つのリズム運動です。もぐもぐ食べるということは、
リズムとして1、2、1、2、と噛みますのでリズムなんですね。
これは「歩く」も一緒です。
そしてこのリズムが脳のセロトニンを強くします。このセロトニンが
弱ると鬱っぽくなったりイライラします。これはとても大事なことです。
以前鬱で音楽療法を行った方は、事情があってまだ年齢が若いにも関わらず歯を全部抜き、そのため1年間おかゆなど柔らかいものだけしか食べずに過ごされたところ、鬱になってしまったという経歴をお持ちの方でした。
鬱になる要素として、噛むというリズムがかかわっていることなど、
その方はまったくご存じなく、それからなるべく固いもの(そのころは
入れ歯をされていました)を食べるように薦めました。
この方は歯を抜かれずにきちんと食べておられたら、鬱にはならずに
すんだのではと思います。
昔の方が鬱になりにくかったのも、固いものをよくかんで食べたから
ではないでしょうか。季節を味わいながらよく噛む、美味しく食べる
ということは本当に大事です。できればそのものの風味や味が変わら
ない調理の仕方で試してみてください。
この秋、皆様はいくつ秋を感じながら食事ができるでしょうか。
たくさん美味しものがあるので太ると困りますが!(笑)