皆様こんにちは。本当に良い季節となりましたが、暑くなったり寒く
なったりと、気候が変化しやすいので、どうぞ体調管理には気を
つけてくださいね。
この時期、以前は「5月病」と言って仕事や学校、幼稚園や保育園などに「行くのがいや」になる時期とよく言われました。それは先に書きましたように天候のせいで体調が悪くなりやすく、自律神経が不調を起こしやすい時期だからです。
そしてもう1つ、幼児をお持ちのお母様方としてはこの時期、母子分離に困ったり、また「○○ちゃんは××ができるのに、うちの子はできない」とか「毎日毎日早くしなさい、ちゃんとしなさい!と怒ってばかり」と悩む時期でもあるのです。
幼児の場合、このように母親のイライラや焦りが子供にうつり、それが
もとで登園拒否やおなかいたなどをおこすお子様も多いかと思います。
そして今日のテーマ、頭が良いとはどういうことか「整理機能を発達さ
せよう」ですが、このことが大きなポイントとなり、お母様方のイライラ
が防げたり、ものの見方が少し変わっていただければ気が楽になるかと思います。
というのは、「勉強的な賢さ」これは左脳です。しかし「早くする」「1回
でできる」など、これらは「右脳的な生きていくための賢さ」なのです。
そして何度もお話していますが、私の今まで教えてきた生徒たちは、この「右脳」がきちんと発達したから、学校での成績もよかったのだと思います。
以前住んでいた長野県では、小学校も中学校も1校しかない本当に
山の中でした。そして自然が抜群にきれいで、これも右脳によかったの
でしょう。
さてこの右脳の賢さの中で、今日は「基本的なものでこれが早めに発達すると特に良い」と私が考えたものが「整理機能」です。この整理機能が発達してくるのが6,7歳ごろ、だから小学校へ上がるのがこの年齢なんですね。
もう少し具体的にお話しすると、たとえば物質的なもの、目で見てわかるものは整理しやすいです。しかし言葉的で理解したり整理したりしなければいけない、「目で判断できないもの」は幼児には整理しにくいのです。
また音楽の話になりますが、「音の長さ」や「文字」は幼児は整理しにくいです。音楽で1拍の音符と2拍の音符の長さの違い、見た目の音符の違いがなかなか理解できず、5歳ぐらいからピアノを始めて「ちゃんと分かっているな」ときちんと思えるのは、ごくごく普通にピアノを習った場合、4、5年生ぐらいでしょうか。
反対に6歳ぐらいで全ての基礎的な音符や長さが分かっている子供、つまり整理して理解できる子供がいればそれはすごいことです。その子供は整理機能が年齢程度にしか発達していない子供より、コミュニケーション能力が高まり、普通の子供よりより成績も良くなると思います。
さらに音は眼で見えません。しかし「音符は見えるではないか」と言われそうですが、その見た目の「絵」が音符の名前や長さと結びつかないのです。
つまり整理ができない、すべてごちゃごちゃになるのです。そして言われると「あーなるほど」とか「やっぱり」となり、場合によっては「知ってたよ」などという回答になります。一見わかっているように見えても、本当はわかっていなかったり、1人ではできない場合が多いです。
それではどうすればよいのでしょうか。子供側からお話しすると、「お子様に整理させるような頭の使い方をさせる」です。たとえば遊びならパズルやゲームなどで、分類させるようなものを与えてあげるとよいでしょう。
音楽を習わせることももちろん良いと思います。演奏とは目に見えない
「音」を、感覚だけで頭の中で長さとして計り、考えながら演奏し続ける
ことです。次々と連なって演奏し続ける作業は、まだ起こっていない
未来を頭の中だけで想像し続け、実際に実行していく作業、分析する
作業ととても似ています。そしてすらすら演奏するという事は、その前に頭で理解し分析し、整理することです。
絵にかけないのが残念ですが、以前教育大学の付属小学校の入学問題にこういう問題がでました。いろいろな靴がごちゃまぜに1つずつ描いてある絵があり、「今日はおうちにお客様が来ています。さてお客様は何人でしょう?」という問題です。
1つというのは靴の片方だけで、2つで1人分ですので、靴の種類や形で2つで1人分に分けて考えなければなりません。確か8つぐらい靴の絵があり、回答は4人だったと思います。これが「整理」で「分類」であり、「割り算」でもあります。ご理解いただけるでしょうか。きっと教育大付属小はこれで整理機能を見たんだと思います。
いかがでしょうか。何気ないことで遊びのようなことですがこんなことが
右脳的な判断力や分析力などをつけ、整理機能を発達させるのだと思います。整理機能を発達させる、つまり「頭の中だけで考える力」です。
引き続き次回では、親の立場から子供の整理機能を高めるにはどうすればよいか、をお話ししたいと思います。