皆様こんにちは。少し春めいてきましたね。
しかしもっとあたたくなってほしものです。
さて現代は赤ちゃんの頃から何かを習わせる時代です。
なのに学校はどうして荒れているのでしょうか。とても不思議です。
「習う」という姿勢が、小学校入学前から育っているはずです。
「赤ちゃんのころから何かを習わせる」と言うことは、おかあさんも
習い事で一緒ですし、余裕がないとできません。またお母さんに向学心
がないと始められないと思います。
そんな赤ちゃんの頃から何か習うような子供たちが育って、その初めの
頃の子供たちが高校生ぐらいになっていますが、年々公立学校はよくな
いと、私立の小学校に入学させる親が増えている世の中です。テレビで
も今、ある私立小学校の創設が話題を呼んでいますね。
それでは何がそうさせたのでしょう。小さなお子さんをお持ちの皆様も、
一緒に考えてくださいね。いずれは小学校に入学する日がやってきます。
さて大事なことは目の前のこと、例えば英語を習うとすれば英語、
ピアノを習うとすればピアノに目が行き、本当の意味の「ものを習う」
という姿勢ができていないから、学校は荒れ、子供も荒れてしまうの
だと思います。
この「目の前のこと」をわかりやすく言うと、例えばある家庭に20歳の
息子がいて「できちゃったから結婚したい」と言ったとします。
すると親はやれ結婚式の費用はとか、どこで結婚式を挙げるとかに目が行
っていて、「その年で本当に結婚してよいのか」、「お嫁さんをちゃんと食べ
させていけるだけのお給料は稼いでいるのか」という話が出てこない、こ
れが目の前のことです。
これは私の知り合いで本当にあったことですが、案の定この息子は2年で
離婚してしまい、その後若い身で子供をかかえ苦労していました。と、
ちょっとこれは大げさな例ですが、何を習うにしても子供が幼い時は、親
がかりです。
親が送り迎えや習い事のフォローをちゃんとしてあげられるか、また
先生にものを教わるときの礼儀をちゃんと子供に教えられるか、と言う
ことが肝心です。「そんなこと当たり前」と言われそうですが、本当に
大事な事です。
先ほどの息子ではありませんが、なぜ結婚をするのか、結婚とは何かを
考えたことは、たぶん前回の結婚ではなかったのだと思います。これを
お稽古事や習い事に置き換えると、なぜ○○を習うのか、○○とは何か
(どんな要素があるのか)となり、幼い子供ではほとんど検討がつきま
せん。
よく見かける光景に「○ちゃんどうする?」と何でも子供に聞いて、判
断させている親御さんがありますが、小さい子供に良い判断や正しい判
断ができるとは思えません。
また「親の考え方」という土台がないと、子供は何を基準に判断してよ
いか、何が正しいか好ましいかもわからないまま育ち、悪くすると単な
るわがままに育ってしまう場合があります。やはり親が幼いうちはよく
考え判断してあげるべきです。その結果として習ったものが好きか嫌い
か、向いているか向いていないかと言うことは出てくると思います。
さらに少し前にあった例ですが、1週間に6つの習い事をしているお子
さんがピアノレッスンを受けたいと来られ、そこにピアノが加わると
7つの習い事になり、1週間のうちなにも習わない日が1日もなくなる
という状態でした。
こんな状態で時間的にピアノを習えるの?と思いましたが、ここにさら
に「ピアノは買わない」という条件でしたので、とても無理とお断りしま
した。ちなみにこのお母さんは小学校1年生から6年生まで、ピアノを
習われていたそうです。?がいっぱいついたお母さんでした。
ここでわかることは親御さんが「何を習うか」という、判断を
していないという事です。気がついたものは何でも習わす、という
感じでしょうか。
やってみないと分からない、いくつも習ってその中で、何が本人に
合っているか見極める、という考え方は一見間違っていないよう
ですが、反対から見ると親御さんに選ぶ能力がないことになります。
また仮に10こ習って全部やめてしまったら、そのお子さんには10
この習ったものに対するコンプレックスが残ったり、何も続かなか
った、という結果も残ってしまいます。
今の子供は時間がなく、幼いうちから結構忙しい。
お母さんが仕事を持っている場合も多く、昔のように幼稚園が
お昼で終わって帰ってくることはありません。幼稚園でも15時
ごろまで帰ってこないことはざらで、そんな生活の中で、何を
習わせるべきか、です。
また子供の時間がない、つまり子供独自の自由な時間を持ち、
「一人で考える」「子供同士で工夫したり想像したりして、遊ぶ
時間がない」とも言えます。
さらに習い事というやることが決まっている行為の結果、受け取る事
しかできず、自分から発想する、行動する能力が育たないという事も
考えられます。よく言う指示待ち症候群です。もちろん習っている事は、
上達していくかもしれません。
しかし私が今まで携わったお子さんで、―たぶん500人以上はおられ
ると思いますがー、たくさん習い事をしていたお子さんに限って、1つ
でもいいから、習っていたものが成就したというお子さんはいません
でした。
反対に1つか2つしか習っていないお子さんは、それをやり遂げたり、
ある程度すごいと呼ばれるところまで行かれた(お習字で段を取るな
ど)お子さんはたくさんいました。これは私だけの場合かもしれませ
んが。。。
今は大抵のお子さんが、小学校に入る前から何かを習い始めます。そこで
初めて「知らない人、両親祖父母以外の人からものを習う」という行為を
うけ、ものを習う姿勢ができます。この姿勢が狂ってしまうと、学校へ行
っても先生の言うことを聞かない、先生に対して自分が「お客さん」だと
思ってしまうような考えや行動をとってしまいます。
親御さんは十分検討して「何を習わせるべきか」「どうして習うのか」を
考えて、習い事をスタートしてあげてください。また先生への尊敬の気持
ちや、教わるという謙虚な姿勢がないと何を習ってもうまくいきません。
もちろん勉強もです。
幼児期の習い事には本当に慎重に、十分考慮と配慮して習わしてあげ
ましょう。