明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします!

 

さて新年にあたり、今日はこのメルマガを書く原点にもどって、
書かせていただきたいと思います。

 

その原点として、なぜ情緒は人間に大切なのでしょうか?
言い換えると、なぜ感性は人間に大切なのでしょうか。

 

情緒(感性)は目に見えたり、触ったりできません。だから同じ人間

でも、「どのくらいその情緒が発達しているか」はわかりません。

 

体なら見ただけですぐ背が高いとか低いとか、太っているとかやせて

いるとかがわかりますね。でも情緒(感性)はなかなかわかりません。

 

そして情緒(感性)ほど人間の生活に影響を与えるものはないのです。

現代人にうつ病が多くなってきたのも、この情緒の不安定になる要素が

世の中に多いからでしょう。

 

さらに幼児期はその情緒のとても発達する時期で、情緒が発達することで

脳が発達すると私は考えています。これは間違いないと思います。

分かりやすく例をあげてみましょう。

 

例えば学校で先生が「ここは大事なところですよ~」と言ったとしても、

「ふーん」で終わるお子さんと

「大事なんだな」で終わるお子さんと

「これはノートに書いて忘れないようにしよう」と思うお子さんとでは、
勉強面で将来大きな差がついてきます。

 

つまり「感じるかどうか」「心にひびくかどうか」です。そしてこの

「感じる」を育てるのが情緒(感性)です。

 

頭で理解するのと、本当に心に響くのとは違うのです。頭でわかっても、

心で本当に響かなければ、行動には出ません。響くような情緒(感性)が
育っていなければ、結果的には無反応になってしまいます。

 

成績が下がる、塾に行っても成績が伸びないという場合、大抵は俗に言う
「頭が悪い」と言うのではなく、本人が本当に重要だと思っていない、
本気でやっていない場合がほとんどです。つまり頭ではわかっていても心に
響いていないのです。

 

だからそんなお母さんには「塾に行かせるより、心(情緒(感性))を

育てなさい」と私はよくお話します。これは集中力や根気も同じです。

 

またいじめられたり、情緒が不安定なお子様の場合は、やはり心が安定する
ためにはどうすればよいかというお話をします。

 

同じ年に生まれても、親の話しかけの量、親の情緒(感性)の発達ぐあいなどに

よって、こどもの情緒(感性)の発達ぐあいは随分違います。親が感じなければ、

親の表情や話し言葉に出ないので、子供は感じません。

 

最後に今の例として「育ちそびれ」についてお話しておきましょう。

LD(学習障害)という障害があります。近年良く研究され、解ってきた障害です。

自閉症やアスペルガー、多動性などの障害の名前をお聞きになったことがあると

思いますが、そういう障害の中の1つです。

 

そのLDの中にもいろいろなものがありますが、その1つに

「察するとことができない」があります。

 

人の心を察する、未来を計画するなどがそれです。未来まで
行かなくても、明日の予定を考えるなども同じです。

 

 

この「察する」ができないLDの親に育った子供は、必ずではありませんが、

その子供に障害がなくてもやはり「察する」ができない子供になってしまいます。

これが「育ちそびれ」です。つまり親ができないので、子供もできなくなってし

まうのです。

 

そして計画したり、将来を考えたりすることができないわけですから、学校へ
行けば成績などには大変影響してきます。テストの前でも勉強の計画が

立てられませんし、将来を予知することができないため、悪い点を取って初めて

「どうしよう」となるのです。

 

今あげたのは親の影響としての極端な例ですが、そういう意味では親として

自分の感性を磨く必要もありますし、子供の情緒(感性)を育てるためには

何度も何度も話し、根気よく育てる必要があります。

 

子供は生まれてきたとき「真っ白」です。そしていろいろな心の絵の具をそれ

ぞれ持って生まれてきています。泣き虫の子、すぐ怒る子、きれいなものが好き

な子など、赤の種類が多かったり、水色がなかったりと、「その絵の具を使っ

てどのように絵を描くか」が、ご両親が絵を描く腕の見せ所となります。

 

子供の情緒(感性)を育てる、磨く=親の情緒(感性)につながっているのです。

今日のテーマ「情緒はなぜ大切なのか」、これは親自身の情緒が子供の基本的と
なる情緒を創り、その情緒をもとに子供の情緒は発達し、人生を羽ばたいていく

から大切なのです。当たり前のことですが、本当に大切なことです。