昨日書きそびれた「自分が選ぶ」について、
今日は書いてみたいと思います。
これはどういう意味かというと、人は
無意識に「選ばれる側に立っている」
「無意識に全てを受け入れている」と
いう事です。
自分が選んでいないのです。
そして「選ばれる側」に立ってしまうと、
それも無意識に、
・選ばれようと必死になったり
・自信を無くしたり
してしまうのです。さらにこれは、
自信を無くす悪循環を起こしやすいです。
もっとわかりやすくお話ししましょう。
私のもとにはいじめ、登校拒否、適応障害、
アスペルガー的なことを悩んで、相談や
カウンセリングに来られる方が多くおられ
ます。
その中のいじめを例にとると、いじめられる
側になったこどもさん、つまりいじめにあった
子どもさんは、「選ばれる側」に立っている
場合が多かったという事です。
これはあくまで私の臨床経験で、悪質な
いじめの場合は、お金を強要されたり、脅迫に
より嫌なことをさせられたりと、本人が
「選ばれる側」に立たされていない、もっと
脅迫的な場合もあります。
しかしごく一般的で、学校などでいじめられたり、
仲間はずれにされたお子さんは、「選ばれる側」に
立っており、それを反対から言うと必ず「選ぶ側」の
お子さんがいるという事です。
友人関係はフィフテイ・フィフテイで、本来横並び、
「対等」な関係が無意識のうちに、「親分子分」の
ような関係ができているという事です。
そしてその親分が「選ぶ側」、子分が「選ばれる側」
です。女子などに多い、クラスの女王様がいわゆる
「親分」です。きっと皆様もご経験があるでしょう。
さて元に戻り、ごく一般的ないじめにあったお子さん
のカウンセリングで、私がよく意識させる行動が、
「選ぶ側に立ってごらん」です。
いつも選ばれる側に立っていると、
・選ばれない不安
・見捨てられる不安
・自尊心の欠如
が起こってきます。
そんな時はいったん一人になる、別の
言い方をすると親分から離れる。
そして我慢して(ここが肝心)、一人でしばらく
過ごすと、痛めつけられた心が少しずつ回復
してきます。
さらに回復してきた時、「自分が選ぶ」という
意識、考えを身につけてもらいます。
・「自分が選ぶ」という行動をとる
・自分を大切にしてくれる友達を選ぶ
・対等に付き合える友達と交友する
・行動の全てにおいて、自分が楽しくなる方を選ぶ
これらは嫌な事から逃げるのではありません。
勉強が嫌いだから逃げる、
仕事が辛いからやめる、
人間関係が苦手だから相手を攻撃する
のとは違います。
日々の毎日もそうです。「楽な方を選べ」と
いうのではなく、「何が自分にとって有益か」と
いう、
「正しい判断力を持って」
という事です。いじめにあっている子たちを
みると、
判断していない
出来事を全部受け入れている
場合が多いのです。
私も今頃になって初めて気づいた、
また様々なことを学んでやっと気づいた
人生における最大のポイントだと思います。
自分にとって良質なことを自分が選ぶ
わがままではありません。
今日の予定、これからの人生、だれと付き合うか、
何を買うか。
日々の物質的なものは自分が選んでいるのに、
心理的なことは来るものを全て受け入れ、
自分を混乱させ悩ませていることが多い。
これらは全て「自分のための判断力がない」と
いう事です。
どこかの葬儀会社のテレビCMでありました。
「笑える方を選べ」
本当にそうです。何かに直面したり悩んだ時、
「笑える方」を選びましょう。
そしてもっと「自分が選ぶ」という意識を持ちましょう。
そうでないと、人生に周りの人たちに振り回されて
しまいます。
いじめにあった子供たちにも、その知識と気づきを
与え、しばらく一人で過ごす勇気を持たせ、
「自分で選ぶ」で行動させると、ほとんどの子供たちが
いじめられなくなりました。そして元気になりました。
何事も、「自分で選ぶ勇気」を持ちましょう。