少し前教育テレビで歌手の谷村信二さんがされていたお話し。
とても良いお話しだったので、再度お届けします。
「伝える」。
このことを歌う時に、谷村さんは常に思って
歌われているそうです。
この番組を拝見して私はとても感動し、だからこそ
大ヒットを何曲も出されたのだと感じました。
私も長年ピアノに携わり、様々なイメージや曲創りを
してきましたが、「伝える」または「伝えよう」に
テーマをおいて演奏したことは、あまりなかったように
思います。
ピアノに関しては、大人の方やピアノの先生方にも
多くレッスンをしてきましたが、その多くの皆様が
演奏で1番に感じておられる事が
「間違えないように」
でした。
クラシックではどうしても「間違えずに」に
重心がおかれがちで、またこれが
「ちゃんと演奏する」
というバロメーターになっていると思います。
きっと間違えたか、間違えなかったかが
分かりやすいからでしょう。
しかし決してこれが良い演奏ではありません。
たまたま間違えてしまっても、良い演奏は
たくさんあります。
そして先ほどの「伝える」に重きを置いて演奏する
ことで、「間違えないように」という呪縛から、
解き放たれるのではと思いました。
この「伝える」で大切なことは
1、伝えようという意識を持つ事
2、伝えるものがある
という事です。特に2は私がピアノ認定で
レッスンをしてきた皆様には、ずっと言い続けて
きたことです。
それは先ほども書いた「様々なイメージや曲創り」
で、これは作曲という意味ではありません。
自分が演奏する曲に対して、どのようなイメージを
持ち、どのように演奏するかを考え、音色やフレーズに
いかに表現(=伝える)していくか、という事です。
そして表現するためにはまず曲に対して、
「自分がどんなイメージを持つか」
です。
それは大まかな曲全体に対してのイメージだけでなく、
細かくこまかく、フレーズ事にいかにイメージするか
です。
谷村さんはご自身で作詞作曲をされるので、
「聞いている人に分かるように分かりやすく」を
考え、曲創りをされていると話されていました。
演奏する時「間違えないように」に意識をおいて
演奏するのと、「○○を伝えよう」と思いながら
演奏するのとでは、聴いている人の受け取るものが
全然違ってくるのではと思います。
「伝える」を意識して、私もこれから
音楽していきたいと思いました。