皆様こんにちは。

 

今日は音楽と脳のかかわりについて、長野県で教えて
いた生徒さんを例にとり、お話したいと思います。

 

その生徒さん(仮にAちゃんとします)は私が3歳から
16歳までピアノを教えました。彼女が16歳の時大阪に
もどる事になり、そこでレッスンは終わってしまったの
ですが、そのAちゃんは少し前ですが、希望だった横浜
国立大学に合格しました!私も大変嬉かったです。

同時に3つ下の妹さんも、Aちゃんが行っていた、
長野県の進学高校に合格しました。大阪にもどる

までの生徒さん、残してきた生徒さんのほぼ全員が
その高校に進学しています。


東京では合格のお祝いにランチをご馳走するため、
Aちゃんに会ってきたのです。

 

Aちゃんは小学生の時、長野県ピアノコンクールに
4回入賞し、妹さんも2回入賞しています。コンク

ールの時も、本当によく練習して頑張りました。

 

こんな彼女たちを見ていて、大阪にもどって、「大阪
の子供たちと違う」という点に気づきました。

 

「何が違うか」は以前書いた「自然がないから本能
的な感性が育ちにくい=脳の発達」という点もあり
ますが、都会では「塾、じゅく」と塾が生活の中心

で、また色々な物が豊富なため、「何でも親が与え

すぎる」という事を、最近つくづく感じてしまうの

です。私のいた所は長野でも田舎で、塾はありませ

んでした。

 

そしてこれらは「受身」「親の言われる通り動く」

子供を創ってしまい、「自分で考える能力」「自分で
頑張る能力」が脳として育たなくなってしまいます。
これはとても重要な事です。

 

長野では小学校1年生でも、1時間近く歩いて学校に
行く、寒い雪の中をがんばって通学する、という毎日
の当たり前のことが、無意識のうちに「我慢する」「自
分で行動する」「自分で考える」という意識を育てて
いるのだと思いました。

 

 

これらの意識が脳の中で10歳ぐらいまでに育たないと、
すぐに「できない」「わからない」「しんどい」が連発さ
れ、大きくなった時に引きこもりやニートになる種まき
をしていることになりかねません。

 

先日の全国学力テストでも、雪国の県が上位でした。

確か福井県、新潟県、岩手県などが上位ではなかった

でしょうか。そして大阪は下から数えたほうが、早か

ったと思います。

 

 

長野の生徒たちは多くの自然と戯れ、遊ぶ時間も幼児期は
たっぷりあり、ほとんどが塾にも行っていません。都会の
子供たちは毎日のように何か習い事をし、それでいてそれ
らの子供たち全員が、決して有名大学に入っているわけ

ではないのです。

 

 

以前も書きましたが右脳は10歳まで、左脳は18歳までを
主に育つと言われています。右脳は左脳を下支えする脳です。

 

根気、注意力、判断力、集中力、協調性、想像力、行動力、
忍耐力、自己管理能力他これら右脳的能力があるから、左
脳的能力=勉強する、作業(仕事)能力が伸びるのです。
つまり右脳は左脳の下支えです。

 

右脳の発達なくして、左脳の発達は難しいです。小学校高学年
になって、急に塾に行っても成績が伸びないのは、右脳の発達

具合によるのです。

 

右脳はお弁当箱、左脳は中身です。お弁当箱が小さければ、

中身は入りません。そして右脳的能力は芸術性や感性であり、
これら右脳的能力を引き上げる事に優れているのが音楽です。

 

 

例えばピアノですが、ピアノは両手の指がそれぞれ同時に
違った動きをし、楽譜を読み、鍵盤の位置を考え、音楽的
(強い弱い、悲しそうに楽しそうになど)に弾かなければ
なりません。こんなに同時にいろいろな事をやる習い事は
ありません。

 

①    楽譜を見ながら、②音を聞きながら、③指を動かして、

④音楽の内容を考える、つまり同時に4つ行うことになり

ます。

 

これは学校に行きだして勉強に置き換えると、

①    楽譜を見ながら=黒板を見ながら

②    音を聞きながら=先生のお話を聞きながら

③    指を動かして=ノートをとって

④    音楽の内容考える=授業の中身を把握する

 

ということになるのです。そして成績の伸びない

子供さんはこの①~④のどれかが欠けているか、

同時に4つをこなせない場合が多いです。

 

さらに「自分で練習する」「毎日練習する」という

ことが上の①~④の能力に加え、先に書いた右脳的
能力の中でも根気、忍耐力、自己管理能力を伸ばし
ます。

 

先ほどのAちゃんや、これまで大学に合格してきた

私の教え子たちは、幼児期にたっぷり遊び、自然を

感じ、困難なピアノの練習に耐えたことが、右脳の

感性を刺激し、脳的な容量(お弁当箱の大きさ)を
広げ、左脳の発達を促し頭を良くしたのだと思いま
す。

 

これは本当に行ってきた事だから、実感として皆様に
お話することができました。