おはようございます。

日曜日の朝に少々重いテーマですが。。

 

今日はピアノの先生へ向けてのお話です。

と言っても、他の楽器の先生、人を扱う職種の

皆様にもお役にたつと思います。

 

 

最近の生徒さんの辞め方。

 

以前の生徒さんがレッスンをやめる時は

 

・引っ越し

・進学

・なんとなく飽きた

・金銭的理由

・先生との相性

 

などが、レッスンを辞めるほとんどの
理由だったと思います。

 

そして「お世話になりました」と、お礼や
お詫びなどをされて、辞めていく生徒
さんが多かったと思います。

 

先生側は残念ですが仕方がないですね、と

見送ることが多かったのではないでしょうか。

 

そしてそんな生徒さんが、またしばらくして

「ピアノをやりたい」とか「レッスンできるように
なったので」と来られた時は、本当に嬉しく、
またレッスン再開となる事もあったと思います。

 

 

ところが最近の生徒さんの辞める前の傾向、

 

・月謝を持ってこない

・休みがちになる

・親が不機嫌

・親と連絡がつかない

・その他

 

などがあり、昔の親御さんのように

先生に心を割って「相談」という事を

しなくなる傾向にあります。

 

例として金銭的に苦しくなったご家庭が、

レッスン辞めることになった時、

本当の理由や心を割った相談がなく、

先生側も機嫌よく生徒さんがレッスンに

来られていて、急に辞めるとなったら
「なぜ?」と思ってしまいます。

 

 

そこでご父兄に「どうして辞めるんですか?」

などと尋ねると、反対に切れられたり、

思ってもみない非難を浴びせられたりして、

生徒が辞めるショック+余計なショックまで

浴びることになってしまう場合がよくあります。

 

これは一例ですが、こんなとき先生側は

収入の一部が減って、経営的な損失も

ありますが、それより

 

「親しんで愛情を注いだ生徒が自分の元を

去っていく」

 

という事のショックの方が大きいのではと思います。

 

もちろん「仕事」と割り切っている先生もおられる

かもしれませんが、普通はやはり生徒さんは

かわいいですし、親しくなると情もかけてしまいます。

これは大人の生徒さんでも同じです。

 

もし相談いただければ、金銭的理由だけではなく、

どの場合でも、一緒に考え対処できますが、

ネット社会のせいか、「相談」は少なくなりつつあり、

白か黒、○か×で、辞めるか行くかの2択しか

ない社会になりつつあるように感じます。

 

そして辞めるショックに上乗せして、

今までごく普通に楽しくレッスンしてきたのに、

辞める時になって非難される、先生のせいに

される、お金を払ってくれないなどがあると、
先生も人間不信になってしまいます。

 

お月謝や本代を持って来なくても、先生は

生徒さんを信頼しているから、レッスンを

続けてきた場合などは、その誠意を感じて

くれない生徒側に憤りを感じるのは自然で、

当然の感情です。

 

さらに生徒さん側から

「選ぶ(決める)のはこちら」という態度が、

先生の心を傷つけてしまいます。

 

これは人間の3大欲求の1つ、

「集団欲」が傷つくからです。

 

集団欲とは「あなたは○○の一員」、

「あなたは○○をすべき人」など、

何かで認められる承認欲求や

存在価値の欲求、つまり人と関わる

欲求です。

 

つまり引っ越しや進学など、納得いく

理由で辞められる場合は別として、

それ以外では

 

「あなた以外にも他に先生はたくさんいるのよ」

「選ぶのはこちら」

 

となっている社会情勢に問題があるのです。

学校の先生もこのような傾向が強く、

ストレスが溜まりがちで鬱になられる方が

多いです。

 

それではこれらをどう回避すればよいか。

 

これは「いじめ」を受けた子供の立場と

似ています。いじめられる子供はいつも

「選ばれる立場」にいて、「選ぶ立場」に

いないのです。もちろん例外もあります。

 

これをピアノの先生に当てはめると、

やはり「選べる立場」になるべきであり、

「選ばれる立場」にならないよう考え

なければなりません。

 

これは社会が多様化しているからであり、

また大きなテーマですので、別枠で書いて
いきたいと思います。

 

そして音楽は教える事と演奏する事だけ

ではなく、もっと生活にマッチして使われる、

必要とされる新しい産業、仕事を模索して

行かなければならない分岐点に来ている

のだと思います。

 

 

今日のまとめとして、「生徒が辞めるショッ

ク」と言うのは、最近の傾向では+αの

余計な非難、思わぬ言いがかりがプラス

されている場合があること、これは余計な

心労になるという事です。

 

そして生徒が辞めて心が傷つくのは、
人間の本能であり3大欲求である「集団欲」
から来ており、先生の性格悪いとか、レッス
ンで手を抜いていたとは違った角度、本能的

な要素があるという事も、理解していただけ

ればと思います。

 

先生方はここを理解して、

「生徒さんが辞める時の対応」も、

「教室の決まり」などを作って対処して

下さい。

 

こんなことを書かないといけないという事は

人間関係の信頼、尊敬がなくなっている

世の中の象徴で悲しいですが、無駄な傷、

余計な不安を持たないで良いためにも、

生徒さんが入会してきた時、きちんと

「辞める場合」の事もお話しないといけない

時代かなと思います。